シネマ一刀両断

面白い映画は手放しに褒めちぎり、くだらない映画はメタメタにけなす! 歯に衣着せぬハートフル本音映画評!

きみに読む物語

人を傷つけてまで成就させた愛に如何ほどの価値があるのか。

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2004年。ニック・カサヴェテス監督。ライアン・ゴズリングレイチェル・マクアダムスジーナ・ローランズジェームズ・ガーナー

 

とある療養施設で、記憶をなくした初老の女性に定期的に会いに来て、若い男女のラブストーリーを話してきかせる老人がいた。その物語は、1940年、ある夏に出会い恋に落ちたアリーとノアの物語。しかし身分の違いが二人を引き裂き、アリーとノアは別々の人生を歩むことになるが…。(Amazonより)

 

どうも、皆さん。「恋の噛ませ犬を守る会」の初代会長 ふかづめです。

ちなみに会員0人なので募集してます。先着10名様に噛ませ犬ステッカーを差し上げますので奮ってご参加ください。

恋の噛ませ犬に関しては、以前コテンパンに酷評した『ワン・デイ 23年のラブストーリー』(11年)『アンダー・ハー・マウス』(16年)に詳しいので、「暇で暇でどうしようもない。まさかこれほどの暇を持てあます日が来るとは夢にも思わなかった。たぶん今この瞬間 地球上でオレがいちばん暇だ」という人は読んでみたらいいと思う。

さて、今日は人気映画きみに読む物語をこっぴどく腐していきます。

たぶん若い女性がだいたい好きな映画だと思うので今日を境にうら若き女性読者を失うことになるかもしれませんが、知るかそんなこと!

そもそも『シネ刀』にうら若き女性読者なんているのか? っていう根本的な疑問と取り組む必要がありますね。ぐふふふふふh。

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◆俗物まみれの布陣◆

監督ニック・カサヴェテスと原作者ニコラス・スパークスは俗物だと思う。

スパークスの原作小説は一冊も読んだことがないから断定形は避けるが、『メッセージ・イン・ア・ボトル』(98年)『最後の初恋』(02年)『セイフ ヘイヴン』(10年)といったスパークス原作の恋愛映画を観るにつけ、まぁ、若い連中の涙を搾りとる才覚にだけは恵まれた浅はかな恋愛小説を得意とする俗物作家といってもあながち間違いではないでしょう。

問題は、この浅はかな原作者の映画化に浅はかな監督と浅はかなスタッフが大集結してしまったことだ。

監督のニック・カサヴェテスは、アメリカン・インディーズを切り拓いた名匠ジョン・カサヴェテスを父に持ちながら、監督としての才覚はその10分の1以下(個人的にジョンQは思い入れのある映画だが、もちろん傑作などと言うつもりはない)

『続 エマニエル夫人』(75年)からキャリアを始めた撮影監督ロベール・フレスは、おそらく「ショット」という概念をほとんど理解しておらず、それが証拠に『RONIN』(99年)スターリングラード(01年)といった目をつむりながらでも撮れそうなハリウッド大味映画でカメラをぶん回しているバカタレである。

 

そんなバカの国から来た使いのような三人が手を組んでしまった。Wの悲劇ならぬトリプルの悲劇とはまさにこのこと。

監督、撮影、原作(≒脚本)

この3つがすでにこの体たらくなので、本作の出来映えは推して知るべしというか、むしろここから挽回して佳作たりうるならそれは奇跡、ましてや傑作になる確率など理論的に言って0パーセントなのである(映画の完成度を決めるのは一に監督、二に撮影、三四がなくて五に脚本だ)。

とは言えこの映画のファンは多いはずだし、今からそういう人たちから疎まれるような文章を書いていく所存なので先に謝っておきたい。べつに謝る道理なんてないけれど、謝っておいた方が具合がよさそうなので一応謝っておきます。俗にいう「なんかごめん」というやつです。私の嫌いな言葉です。


◆きみが読む物語◆

とある療養施設に暮らす認知症のババアのもとに一人のジジイが現れ、ノートに書かれた物語を読み聞かせる…。

その物語の舞台は1940年のノース・カロライナ州シーブルックだ。非常にいい土地である。

 

上流階級のレイチェル・マクアダムスと労働者階級のライアン・ゴズリングが身分違いのトゥルーラブをがっつり育むが、マクアダ嬢の両親から猛反対されたことで二人のトゥルーラブは引き裂かれる。八つ裂きのトゥルーラブだ。

数年後、ゴズリン坊はがっつり徴兵され、マクアダ嬢は金持ちのジェームズ・マースデンとがっつり婚約する。ジェームズ・マースデンといえばX-MEN(00年)で意思とは無関係に目からビームを出してしまうという傍迷惑なミュータント・サイクロップスを演じた俳優なので、以降は敬意を込めてサイクロップスと呼ぶ。

ところが数年ぶりにゴズリン坊と再会したマクアダ嬢は、サイクロップスという婚約者がいながらゴズリン坊とがっつり浮気、「どっちを選ぶんだ?」と言われたのでゴズリン坊を選んで幸せな家庭をがっつりと築きました。めでたし。

 

謎のジジイからこの物語を聞かされたババアは、何かを思い出したように「はぅあ!」と言って目をがっつり見開く。何を隠そう、このジジババこそが現在のゴズリン坊とマクアダ嬢なのだ。

しかし認知症に蝕まれたババアの記憶は5分と持たないので、ジジイと相談した上で「じゃあ一緒に死のうか。トゥルーラブ、フォーエバー」とかなんとか言って二人仲良くがっつり死にます。おわり。

は?

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◆このヒロインはキツい◆

ここから先は個人的な感情論がただただ迸るだけの非生産的な怒りの発散が淡々とおこなわれてゆくので用心されたい。「面倒臭い」と思われようが「純粋に映画を楽しめないのぉ?」と言われようがオレは構わないさ、興味ねえさ、純粋なんて裏を返せばバカってことさ。ムカついたから「ムカついた」と言うだけの野性味溢るるジューシーな酷評をグラスに絞っておまえのテーブルに運ぶだけザッツオールさ。


序盤に一度、中盤にもう一度思うことは「マクアダ嬢が無条件にモテすぎ」ということだが、その割にはまったく説得力がない。

そもそもレイチェル・マクアダムスという女優はなんだかいつも下品なので個人的にあまり好かないのだが、私の好みは措くとしてもなお看過しがたいほどひどい。

「上流階級の知的な娘」という設定にも関わらず、溢れ出る品性に男たちが惚れる…という演出を怠っていて、終始一目惚れのゴリ押し。したがって初恋相手のゴズリン坊と婚約相手のサイクロップスが彼女の何に惚れたのかがさっぱり分からない。

たとえば「一目惚れもやむなし!」と思ってしまうほどショット一発でわれわれを説き伏せるような美しい撮り方をしていれば何の問題もないが(実際、美人揃いの古典映画にはそういうゴリ押しが多かった)、びっくりするぐらい綺麗に撮れていないからタチが悪いのだ。

ミートソース食ったばっかり…みたいな真っ赤な口紅をひいて大口開けてゲラゲラ笑うマクアダ嬢の姿には吐き気すら催した。

これならまだ恋とニュースのつくり方(10年)『アバウト・タイム ~愛おしい時間について~』(13年)の方がよっぽどマクアダ嬢の魅力を引き出せている。


ヒロイン像としてもムチャムチャの極致で、まずもって「絵とピアノが好き」という人物造形がうまく活かされていない。

たとえばよ? たとえばゴズリン坊とつき合ってた頃は楽しい曲ばかり弾いていたのに別れた後は悲しい曲しか弾かなくなった…とか、現在の彼女(認知症)が昔に描いたゴズリン坊の絵を見せられて一瞬だけ記憶が蘇る…みたいな、そんな気の利いた話はひとつもない。

おまけに(これはただの人格攻撃だが)ヒステリー

喧嘩したゴズリン坊を一方的にバシバシ殴りながら「やめて、やめて!」と被害者が言うべきセリフを叫ぶ…という言動の不一致。もはやヒステリーであると同時にミステリーでもあるよねぇ。

 

事程左様に、ラブコメなら笑って済ませられるヒロインかもしれないが、純愛映画でこれを123分見せられるのはさすがにキツい。とにかく徹頭徹尾下品なのだ。

せめてミートソースの口紅はやめてほしい。口拭け。

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◆噛ませ犬① サイクロップス

本作に限らず、私は他人様にさんざん迷惑をかけておいて「純愛でござい!」とか「運命でござい!」って顔をしているロマンス映画を一本残らず白魔術で浄化したいと考えている。そんなものはロマンスでも何でもないからだ。ゆるせないよ!

二人だけの世界においては何をやったって構わないが、アカの他人を傷つけたり振り回したりしてまでトゥルーラブを追い求める行為は端的に言って社会の迷惑なのでよそ行ってやれ。愛だかなんだか知らんが他人様にまで迷惑をかけるな。

そもそも人を傷つけてまで成就させた愛に如何ほどの価値があるというのか。

他人様とは第三者のこと、つまり恋の噛ませ犬のことだねぇ。

最終的にひっつくことになる主役二人のロマンスを盛り上げるために、裏切られ、傷つけられ、踏み台にされてゆく噛ませ犬たち。やがて失恋という名の保健所に送り込まれる悲しき犬たち…。

自称「恋の噛ませ犬を守る会」の会長としては、この映画はちょっと度し難いです。この映画がどれだけ度し難いかついて今からちょっと喋っていきます。ごめんなさいね、こんな文章に付き合わせちゃって。


ゴズリン坊と別れたマクアダ嬢は数年後にサイクロップスと婚約した。と言っても妥協の婚約ではなく、マクアダ嬢は心からサイクロップスを愛していたし、サイクロップスもマクアダ嬢のすべてを受け入れてくれるナイスガイだった。すてきな話である。

にィィィィも関わらず!

たまたまゴズリン坊の住所を知ったマクアダ嬢は、数日後に結婚式を控える身だというのに、サイクロップスに「しばらく旅に出るわ。片づけなきゃいけないことがあるの」と言い残してゴズリン坊の住むシーブルックに向かう。なんとなく事情を察したサイクロップス「…行ってくるといい。僕はキミを信じてる」と言って彼女を笑顔で見送った。

全世界の婦女子の皆さん、聞いてますか?

イイ男というのはサイクロップスみたいな人のことですよ!

たしかにビームは出してしまうけど、こんなイイ男はまたといない。どうやらワケありげなマクアダ嬢の一人旅発言を受けて、何も訊かずに「キミを信じてる」とだけ言って見送ったのである。おそらく彼はマクアダ嬢が見せた憂いの表情のなかに男の影を感じ取っていただろうに、それでも何ひとつ問いただすことなく、あえてマクアダ嬢を見送ったのだ。彼女を信じているからこそ…。

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婚約者は最高のナイスガイ。

 

にィィィィも関わらず!

サイクロップスと結婚するために未練を断ち切る」という名目を掲げに掲げてゴズリン坊に会いに行ったマクアダ嬢は、そこでがっつり湖上デートを楽しみ、がっつり酒を飲んでヘベレケになり、がっつり肉体関係を持つ。

度し難え!

ユダやブルータスにも引けを取らない見事なうらぎり。うっかり酒飲んでがっつり最後まで行っちゃうって…合コンですやん。次元が。20代のヤングならまだしも、もういい年した大人でしょうに。結婚式控えてるんでしょうに。分別もヘチマもねえな。

しかも翌朝、ヒスを起こしてゴズリン坊と大喧嘩。

「昨日愛し合ったのは事実よ。だけどよく考えたら無責任すぎたと思う。私には将来を誓いあった婚約者がいるの! だからあなたとは一緒になれない!」事ここに至って態度急変みたいな言説をまくし立てて、ゴズリン坊に「でもキミはその誓いを破っただろう? 愛する婚約者がありながら俺と寝たんだろう!?」と反論され、そこで言うに事欠いて「彼なら分かってくれるかもしれない…」と言ったのだ。

えっ…!

つまりマクアダ嬢は、自分が昔の男と燃えるような情事を重ねても、婚約者のサイクロップスはとても優しくて心が広い男だから許してくれるかもしれないと?

お~ん、ほっほーん。なるほど、なるほど。

よしっ、サイクロップス

ビームでこの女を焼け。

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これが噛ませ犬の底力じゃあ。


◆噛ませ犬② ジェイミー◆

一方、マクアダ嬢と再会する前のゴズリン坊は、戦争で夫を失ったジェイミー・ブラウン演じる未亡人にマクアダ嬢の面影を見て、失恋の寂しさを埋めるために彼女と肉体関係を重ねていた。悲しい言い方をするとセフレ関係というやつである。

未亡人ジェイミーは自分がゴズリン坊に愛されていないことに気づいている。マクアダ嬢と離れ離れになったゴズリン坊は廃人と化し、今でもマクアダ嬢を想い続けながらやり場のない鬱憤と性欲をジェイミーで晴らしているのだから。

ジェイミー「きっとあなたには大事な人がいて、その人を私に重ね合わせているだけなのね…」

どしがたっ。しかも世知辛っ。

サイクロップスだけでなくジェイミー視点から観てもかなりツライ映画である。この二人、不憫すぎるぞ。

ところが、ゴズリン坊とマクアダ嬢が再会して「やっほほ」などと言いながら愛し合った翌日、たまたま彼の家を訪れたジェイミーはそこで初めてマクアダ嬢と対面する。まさに三角関係。修羅場の予感。山口百恵「絶体絶命」が聴こえてきそうだ。


別れて欲しいの彼と

そんなことはできないわ

愛しているのよ彼を

それは私も同じこと!

三人模様の絶体絶命

さあさあ さあさあ

はっきりカタをつけてよ はっきりカタをつけてよ

はっきりカタをつけてよ やってられないわ…

その人と私のどちらを選ぶの?


ところがジェイミーは、三人でメシを食ったあと、別れ際にゴズリン坊に向かって「マクアダ嬢ってすごく好い人ね。なんだか私も本気で人を愛せそうな気がするぅぅぅぅ」なんて勝手にスッキリしてニコニコしながらゴズリン坊のもとを去るのである。マクアダ嬢の代用品にされて「本人と会えたからキミはもういいよ」とばかりにお役御免にされたにも関わらず。

そこは「最低! …でも幸せになりやがれチクショー!」といってゴズリン坊にビンタの一発でもお見舞いして泣きながら彼のもとを去るべきでしょうが!

なんだかなぁ…。異常に物分かりがいいというか、ゴズリン坊とマクアダ嬢にとって何から何まで都合のいいキャラクターなのである。

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物分かりのいいジェイミー。


◆噛ませ二人がヤケに物分かりのいい理由◆

恋の噛ませ犬が不憫な目にあう映画を観るたびに心底腹が立つのは、主役二人のお膳立て要員として使い捨てにされてしまうからだ。脇役への愛情が欠乏しているどころか「脇役に意思など必要ない」と言わんばかりの不当な扱いはさながら脇役ロボトミーよ。

 

実際、ゴズリン坊を選んだマクアダ嬢をサイクロップスは何一つ咎めず「それでもキミを愛してる。本当に愛しているんだ」と言い続けて、最後まで聖人君子のスタンスを貫いた。

なぜサイクロップスが聖人君子キャラなのかといえば、もしも彼がマクアダ嬢の浮気とか婚約破棄を責めた場合、サイクロップスに同情して「もっともだ。よく考えるとこのヒロインがしてることってけっこうヒドいよね」ということに気づき始める観客が出てしまい、そうなると作り手にとって都合が悪いのでどんなひどい目に遭わされても主役二人が悪く見えないように立ち回る聖人君子という人物造形が与えられているからザッツオールである。

早い話が、サイクロップス&ジェイミーという「ヤケに物分かりのいい噛ませ犬」を配置することで「主役二人の身勝手さ」を目くらまししてるわけ。

実際、現代パートでこの物語を聞かされたババア(マクアダ嬢の現在)は、ことあるごとに「ひゃあ。美しい話ねー」といって身震いする。これは作劇の自己肯定というトリックで、映画の側が「この物語は美しい」ということを先手を打って前提化してしまうという最低の身振りである。

この物語が美しいかどうかなんて観客が決めることなのに。


また、マクアダ嬢とゴズリン坊の情事が露呈したあとに「それでもキミを愛してる。本当に愛してる」と言ったサイクロップスに対して、マクアダ嬢も「私も本当に愛してるー」と言う。

度し難ぇわ。おまえが言うなっ。

すでにマクアダ嬢の心は100%ゴズリン坊に傾いてるのに、何をいけしゃあしゃあと…。ただの嘘やないか。嘘はやめろ。いっそこうなった以上は「ゴズリン坊を愛してるの。悪いとは思うけれど、あなたとは結婚できません」といって完全に振ってやるべきなのに、この期に及んで「私も本当に愛してる」なんて…ワンチャンあるかもみたいな言い方をするんじゃない!

というか、マクアダ嬢とゴズリン坊は「本当に愛してる」だの「本物の愛だった」だのと藤井フミヤみたいにトゥルーラブを謳ってやまないけど、それを言ってる当人らがこの体たらくじゃあねぇ。ま~薄っぺらく聴こえること。

だいたい、トゥルーラブだか何だか知らんが、口だけなら何とでも言えるんです。それを身をもって証明するのがトゥルーラブなんじゃないの? それが恋愛映画の醍醐味なんじゃないのかよォォォォォォォォッ。

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キェェェェェェェェェェェェッ!!


◆唯一の救いはジジイとババアにあり◆

事程左様に度し難すぎて、ちょっと体調が悪くなるぐらいイライラしてしまった。鑑賞後にさっそく評を書こうと思っていたが、めまいと吐き気に襲われたので一旦寝て体力の回復を図りました。

この映画に唯一の救いがあるとすれば、現代パートの主役二人を演じたジーナ・ローランズジェームズ・ガーナー貫禄まみれの名演であろう。これには危うくもらい泣きしそうになった。

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ジーナちゃん(右)とガーナーさん(左)。


ジーナ・ローランズジョン・カサヴェテスの妻で、二人の間に爆誕したのが本作の監督ニック・カサヴェテスというわけだ。ニック爆誕から11年後に娘ゾエ・カサヴェテスが爆誕しており、彼女も映画監督になっているよ。

ジーナ・ローランズといえば、夫ジョンの『こわれゆく女』(74年)『オープニング・ナイト』(77年)で背筋が凍るような怪演を見せつけた大女優だが、最も有名なのは『グロリア』(80年)だろう。おばはんがマフィアからガキンチョを守る…という『レオン』(94年)の性別逆転版です。

ちなみに娘のゾエが監督した愚作『ブロークン・イングリッシュ』(07年)にも出演するなど、何かにつけて子供たちが撮った度し難い映画に出ては作品の質を底上げしてあげる…という子煩悩な母ちゃん。


一方のジェームズ・ガーナー大脱走(63年)グラン・プリ(66年)で知られる60年代のスター。イーストウッドスペース カウボーイ(00年)におけるジジイ4人組の1人…と言っても、ほかの3人イーストウッドドナルド・サザーランドトミー・リー・ジョーンズが濃すぎるのでパッと思い出せる人は少ないだろうが。私も画像検索してようやく思い出しました。

本作きみに読む物語を最後に俳優業から足を洗い、10年間の老後生活を楽しんだあと2014年に他界なさった。


ここに綴った愚痴は氷山の一角に過ぎないが、7500字を超えたのでそろそろ終わらねばならないと思い始めている。

「どうせ観ても腹を立てるだけだから」と思って長らく本作をスルーしていたが、これほどの有名映画を観ないのはどうなんだろう? と思い直してこのたび鑑賞してみたのだが、まさか腹を立てすぎて体調不良を起こすという思わぬ結果が待っていようとは。

とんだサプライズをどうもありがとうだよ!

皆さまも体調にはくれぐれもお気をつけくださいね。

 

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初登場時のサイクロップス恋の噛ませ犬は結局こういう扱いを受ける。