シネマ一刀両断

面白い映画は手放しに褒めちぎり、くだらない映画はメタメタにけなす! 歯に衣着せぬハートフル本音映画評!

ウルフ・オブ・ウォールストリート

ディカプリオ&スコセッシ、架空インタビュー。

f:id:hukadume7272:20180221003000j:plain

2013年。マーティン・スコセッシ監督。レオナルド・ディカプリオ、ジョナ・ヒル、マーゴット・ロビー。

 

実在の株式ブローカー、ジョーダン・ベルフォートの回想録を映画化した実録ドラマ。80年代から90年代のウォール街で、若くして大金を稼ぎ、その後証券詐欺の容疑で逮捕された彼の栄枯盛衰を見つめていく。(Yahoo!映画より)

 

公開当時に、監督のマーティン・スコセッシと主演のレオナルド・ディカプリオがインタビューに応じてくれたので、その様子をお送りする。

偉い人たちの圧力によって闇に葬られた秘蔵インタビューである。

 

f:id:hukadume7272:20180221003403j:plain


―私はスコセッシ監督の前作『ヒューゴの不思議な発明』(11年)は、正直に申しまして大変なくそだと思っているのですが、今回の新作は実に見事でした。


マーティン・スコセッシ(以下スコセッシ)「ありがとう。楽しんでもらえたなら嬉しいよ!」

 

―デカプーさんとは5度目のタッグになりますが、それまでスコセッシ監督の相棒だったロバート・デ・ニーロについてはどのようにお考えですか?

 

スコセッシ「ありゃ、もう脈ないね。デ・ニーロは歳をとって体力が落ちた。私だってもう71歳だが、今回の映画のバイタリティを見ただろう?」

 

―ええ。デカプーさんがシャブ食ってセックスして絶叫してシャブ食ってセックスして絶叫して…の繰り返しが180分続いて、観終わったあとに頭痛と眩暈を引き起こすほど常軌を逸した作品でした。


スコセッシ「はっきりいって撮影現場はきちがいじみていた。何しろセリフのほとんどが怒声だからね。私の要求に応えられるのは、今やデ・ニーロではなくレオなんだ。レオなんだディカプリオというギャグを君に贈呈するよ(笑)」

 

くだらな。

 

スコセッシ「ところで、日本でもシャブを食って捕まった有名人は大勢いるんだって?」

 

SAY YES。日本の芸能界もウォールストリートみたいなものですよ。ところで、デカプーさんは本作の映画化権をブラッド・ピットと入札合戦の末に獲得したそうですね。そこまでして演じたかった役なのでしょうか。


レオナルド・ディカプリオ(以下デカプー)「そうだね。僕は近年『ジャンゴ 繋がれざる者』(12年)『華麗なるギャツビー』(13年)一般常識が欠落した金持ちばかり演じてきたから、その集大成となる作品を作りたかったんだ。だって、僕といえばゴージャスな俳優だろう?(笑)」

 

―ええ。特に2000年代は小汚いヒゲ面で演技派としてのストイックな役柄に挑戦していたので、今回の新作ではそんなストイックなデカプーさんと、あなた本来のゴージャスな「レオ様」としてのカリスマ性がうまく結びついた集大成的作品になったと思います。

 

デカプー「その、デカプーさんって呼び方、やめてくれないかな?(笑)」

 

え、やめませんけど?

 

デカプー「…………」

 

―本作を『グッドフェローズ』(90年)の再来だと言う映画ファンもいますが、個人的には『救命士』(99年)『アビエイター』(04年)の系譜で語られるべき作品だと思っているのですが、その辺はいかがでしょう?


スコセッシ「確かに、一人の男の栄光と破滅を描いたという点では『グッドフェローズ』に似ているかもしれないが、映画のテイストでは『救命士』『アビエイター』にも通じるものがあるかもしれない。正直よくわからん

 

『救命士』『アビエイター』とは、内容なんてあって無いような半狂乱映画という共通点があると思うのです。

 

スコセッシ「せめて、野性味溢れると言ってほしいな(笑) たとえば、そう、己の肉体ひとつでジャングルを疾駆するような原始的エネルギーだと」

 

なにをいってるかぜんぜんわからない

 

スコセッシ「つまり『ウルフ・オブ・ウォールストリート』は、闘争本能・生殖本能・快楽本能に向かって一直線に突き進む、まさに原始的なパワーについての映画なんだよ」


デカプー「その役を僕のようなハイブローでゴージャスで、でも近年は王子様キャラが崩れかかって適度な泥臭さがついた男が演じる、というところにリアリティがあるんだ」

 

―見事な自己分析です。ところで、デカプーさんの父親役をロブ・ライナー監督が演じていますね。氏の『スタンド・バイ・ミー』(86年)は僕のフェイバリットムービーなので、少々複雑ではありました。


スコセッシ「彼はウディ・アレンの『ブロードウェイと銃弾』(94年)でもろくでなしを演じてるからね(笑)」

 

―180分まで長尺化することに躊躇いはなかったのでしょうか?

 

スコセッシ「そこはもう吹っ切れたよ! リドリー君やノーラン坊のように、長尺監督、あるいは長尺監督になりつつある若い監督が増えているが、あまり褒められたものではない。いかに無駄なくコンパクトにまとめ上げるかが現代映画のひとつの価値基準になっているからね。でも今回の映画は、メインディッシュの後にさらに山盛りのメインディッシュを用意して観客にゲロを吐かせてぶっ倒れさせるという狙いがあったから、これでもかとシナリオを膨らませてやったのさ(笑)」

 

―ぶっ倒れたのはデカプーさんですけどね。

 

デカプー「ラリった末に地面を這いつくばるシーンだろう?ナメクジの気持ちになって演じてみたよ(笑)」

 

―失礼な言い方ですが、「狂ってる」と思いました。


スコセッシ「狂ってないと映画なんて作れないよ!HAHAHA!」


デカプー「HAHAHA!」

 

終始にこやかにインタビューに応じてくれたお二人だったが、その瞳の奥には映画に対する情熱がメラメラと燃え滾っていた。最後に記念写真をパシャリ。

f:id:hukadume7272:20180221003820j:plain

左のインタビュアーが私です。