シネマ一刀両断

面白い映画は手放しに褒めちぎり、くだらない映画はメタメタにけなす! 歯に衣着せぬハートフル本音映画評!

ブルージーン・コップ

ヴァンダホーな『網走ヴァン外地』。

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1990年。デラン・サラフィアン監督。ジャン=クロード・ヴァン・ダム、ロバート・ギローム、シンシア・ギブ。

 

刑務所内で囚人の連続殺害事件が発生した。担当刑事のルイスは、囚人として潜入捜査を試みる。そして殺害された囚人の臓器売買が背後にひそむことを知るが…。(Yahoo!映画より)

 

おはようございます。たぶん知ってるだろうけど、10月3日です。皆はこの10月をどんな10月にしていこうと思ってる?

私は特ににこれといった算段はありません。去年よりもすてきな10月になったらラッキーだな、ぐらいの甘ったれた考えしか持っていないよ。

ていうか、今日は前置きで語ることが何もないのです。「乾燥して指の皮がめくれたわぁ」ぐらいのトピックしかねえよ。ていうかヌルヌル保湿成分たっぷりのラメランスを使ってるのになんで皮がめくれんのじゃ。何をめくれることがあんねん。

さっそく意味ないやんラメランス。これじゃ本当にダメランスやないか。くそが。

だもんで本日は『ブルージーン・コップ』です。

 

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◆洋画劇場なき今…◆

ベルギーが生んだ最終兵器、機動戦士ヴァンダム。

人がジャン=クロード・ヴァン・ダムを観なくなってからずいぶん久しい。

かつて木曜洋画劇場ではヴァンダミング・アクション!」とか「ヴァンダホー!!」といったキチガイ沙汰のCMナレーションを連発してはヴァンダム映画を頻繁に放送していたし、お茶の間の人民もヴァンダムの華麗な蹴り技に「う~ん、ヴァンダム…」などと言って心酔していた…という素晴らしい時代があったのだ。

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筋肉映画界きってのハンサム!ジャン=クロード・ハンサム!

 

そうそう。ついさっき知ったのだが、木曜洋画劇場に次いで日曜洋画劇場まで終わっちまったらしいじゃないか(けっこう前に)。

ざまァねえぜ。

洋画劇場は2010年代から一気に斜陽化した。テレビ局主導のくだらない日本映画(ドラマの劇場版とか)やバラエティ特番を垂れ流し、クレームに脅えてジブリとかハリポみたいな穏当な映画ばかりローテーションで何度も何度も放送するんだから、そりゃあ若者の映画離れも起きますわ。

その皺寄せはヴァンダムやセガールのような洋画劇場スターにも及んでいる。お茶の間からヴァンダミング・アクションが消えてしまったのだから…。

 

昔は淀川長治さんや水野晴郎の解説付きで洋画が放送されていて、事故みたいにいろんな映画と出会ってしまうことで「映画ってこんなに面白いのか!」って新しい扉を開けてもらった感覚に胸を躍らせてたよなー。

もともとテレビの魅力って事故的な出会いを提供してくれることだからね。普段の自分が興味を示さないことでも、テレビを点ければ向こうから勝手にやってくるのだ。

でも洋画劇場なき今は観客が映画を選ぶ時代で。

見たいものしか見ない。興味ないものは全部スルー。くだらないレビューサイトを覗いて皆がイイって言ってるものだけ見る。見たくないものを見せられると「なんか思ってたのと違った」。

ヘイ、お待ち! 自分の興味の範疇でしか物事を楽しめず未知の世界に対して期待感や好奇心を抱くどころか「知らないからどうでもいい」って拒否反応を起こす思考停止ボーイズ&視野狭窄ガールズの出来上がり!

まぁ、楽しみ方はそれぞれだから好きにやればいいけど、そうやって自閉的情報だけを摂取してると確実に想像力がなくなっていくよね。

なんかもう、『サイボーグ』(89年)みたいな現代人ばっかりだよ。

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こんな現代人ばっかり。


スーパーヴァンダミング・モード!

どえらく話が脱線したが、気を取り直していこう。

半年前に『80年代筋肉映画を語り倒す』でヴァンダムを取り上げた際に、ヴァンダムのファンダムを公言してやまないGさんから「いつかヴァンダム論が読みたいです」という論単位でのリクエストを頂いていたのだけど、ヴァンダムに関しては論というほどの論を持っていないので、さぁ困った。

まぁ、「ヴァンダム話」で堪忍しておくれやすよ。

 

まずは景気付けに一発、木曜洋画劇場における『ノック・オフ』(98年)のCMで流れた玄田哲章のナレーションをみんなで叫びましょう。

 

ジャンジャン、ジャジャン…ジャン=クロード!

ヴァンヴァン、ヴァヴァン…ヴァンヴァ ヴァンダム!

ヴァンダムが香港で筋肉フィーバー! (ワァーオッ!)

全身の毛穴で受けとめろッッ。

 

 

やべぇ、血沸き肉躍ってきた。

アドレナリン …  全開!

ヴァンダミング…覚醒!

 

懐かしのCMを見て筆者が興奮したため、これより先はスーパーヴァンダミング状態でお送りします。


◆不死身のサンドマンに「なんだむ?」◆

本作『ブルージーン・コップ』はヴァンダム黄金期に作られたヴァンダホーなヴァンダミング映画ダホー!

だけど、刑務所で囚人が次々に死んダミングしていくという謎の事件を解決するために、ヴァンダム演じる刑事が囚人になりすまして刑務所内に潜入(センニュ)ミングする…というヤケにセコい話なんダホー…。

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囚人が死んダミングしたのでセンニュミングするヴァンダミング。

 

まさにヴァンダムの囚人体験ツアー。部下の女性検事(シンシア・ギブ)と面会室で夫婦を装いながら情報交換したり、刑務所長の部屋から囚人リストを盗んだりと、やってることはほとんどトム・クルーズの某スパイ映画。

これじゃあ『ミッション:ジャン・ヴァンダブル』だよ。

したがって、ヴァンダミング・アクションは少ししか垣間ミングできないんダホ!

しかも『HELL ヘル』(03年)という映画でもヴァンダムは刑務所にヘールんですよ。ヴァンダム映画には刑務所モノが多いんダム。

『網走ヴァン外地』かっつーの。

高・倉ード・健ダムじゃないんだから。

 

(やべぇ、そろそろギャグが尽きてきた!)

 

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ヴァンダムの『HELL ヘル』と高倉健網走番外地』(65年)まぁ、ほぼ同じ映画です。

 

シンシア・ギブが「本気でギブ」と弱音を吐きながらも、刑務所のコンピューターをハッキングして囚人殺害事件を探っているときも、ヴァンダムときたら他の囚人と揉め事を起こし、ヴァンダホーな回し蹴りで撃退したあとに「なんだホー!」と抗議するなどして、一向に潜入捜査の成果をあげないジャン。まるで素人。これではジャン=素人・ヴァンダム(そろそろ苦しいわぁ)

そこへ、かつてヴァンダムがヴァンダミング・アクション逮捕ミングしたサンドマンという男がよその刑務所から移送されてきたんダホ。

当然、サンドマンはヴァンダムに対して憤怒マン。激おこヴァンヴァンまるサンドマン「ジャン=呪うど・ヴァンダム!」とばかりに襲いかかってきたんダホ。

かつてヴァンダムがサンドマンを逮捕ミングしたとき、胸に銃弾を6発撃ち込んでもサンドマンは死ななかった。いわばサンドマンはファントム(亡霊)なのだ。

ヴァンダムとファントムのファイトム!

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ヴァンダミングアクション全開で闘うヴァンダムは、激闘の末にサンドマンを焼却炉に蹴り込ミングする。

ジャン=クロード・ヴァンダムが焼=却ー炉・蹴ンダムするのだ(もはや豪腕も豪腕)

一件落着かと思いきや、焼却炉の中でもがき続けて一向に死なないサンドマンに、ヴァンダムは「なんかヘンダム…」と違和感を覚える。

次の瞬間、全身火だるまのサンドマンが焼却炉の中から飛び出してきて、「燃えてますけどまだ戦えます」なんてふざけたことを言うんダホ。不死身かこいつ。

ヴァンダムが再び蹴ッタムすると、吹き飛ばされたサンドマンの頸部が尖ったパイプに突き刺さる。さすがに死んだかと思いきや、よーく見るとサンドマンはまだ生きてたんダホ。これにはさすがのヴァンダムも「なんだむ?」と首を傾げざるを得ない。

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不死身のサンドマン

 

なぜサンドマンは死なないんだ…?

まさか、シュワちゃんと不死身のサタンが戦うエンド・オブ・デイズ(99年)みたいなファンタジーチックな映画なのか?

焦ったヴァンダムが「こいつ、まじで不死身ジャン」とビビりながら、おそるおそるサンドマンアゴを握って頭をぷるぷるぷるぷるっと揺すってみたところ、その振動で鉄パイプが頸椎をむちゃむちゃに破壊、ようやく不死身のサンドマンは死んだ。

死んでまうんかい。

サンドマン「死ンダム」

ヴァンダム「勝ッタム」

かましいわ。くだらねぇ。

不死身じゃなかったのかよ、サンドマン。なんやその思わせぶりな不死身かも設定は。だったら6発撃たれたり火だるまになっても死ななかったのはどうしてなんだよ?

死ぬにしても「さすがにこれは耐えられんだろうな~」って思うような派手な倒し方だったらまだ納得できたのに、頭ぷるぷるされて死ぬって。なんやそれは、しょうもない。

 

結句、事件の謎を暴いたのはシンシア・ギブで、ヴァンダムはただ刑務所内でスパイごっこをしたり殴りっこをしていただけ…という、よく考えるとわざわざ潜入捜査なんかしなくてもたぶん解決できたよね型の底抜けヴァンダホー映画ダホ!

まぁはっきり言って駄作以上・凡作以下というハンパな低空飛行を見せた作品だが、ヴァンダムの肉体美が最も完成されていた時期の作品なので、ヴァンダム目当てで観る分にはお釣りが返ってくるだろう。

もちろんお釣りはプロテイン

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くだらないギャグを連発してすみませんでした。

これはひどい