シネマ一刀両断

面白い映画は手放しに褒めちぎり、くだらない映画はメタメタにけなす! 歯に衣着せぬハートフル本音映画評!

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好人好日

…る余韻を残す。夫役の笠智衆が当時57歳なので、その老け役ぶりに端倪すべからざるものがあるのは余りに明白ゥ。 人は、ただ「ハンシャ」に安らぎを覚え、知らず知らずのうちに「UVカット」の恩恵を受け、「落ち着いた響き」に心を癒されたのちに膝から崩れ落ちての昇天を本望とするほかあるまいのだ。 結論。どっちにしろ死ぬ。岩下志麻で頓死するか、淡島千景で昇天するか。戦後日本映画の女優に魅せられた者は、どっちにしろ死ぬ。えらいことや。 本作の淡島千景が左、5年前の『日本橋』(56年) が右。

雪之丞変化

…は炸裂する。 以前『日本橋』(56年)でも言及したが、市川崑という作家は“現世”と“冥界”のボーダーラインを瞬時に越境する術を持っていて、それまで賑やかだった場面がフッと暗転してあたり一帯に静寂が広がる…といった幻想文学のごとき怪奇演出を劇中の端々に放り込む怪人。これを指して「市川幻想術」と私なんかは呼んでいるけれども、やはり『雪之丞変化』でもその腕は健在。 雪之丞が帰路の途中で船越英二の闇討ちに遭う場面。これはスタジオ撮影だが、道や木々や石垣のセットはなく、ただ真っ暗な中で…

彼岸花

……」 山本富士子は『日本橋』(56年)、『黒い十人の女』(61年)、『私は二歳』(62年)などで「昭和キネマ特集」でもさんざん扱ったが、京マチ子、若尾文子とともに大映の看板女優を務めた大スターであり、1963年には大映側の契約不履行により社長と揉めて銀幕を去った一人レジスタンスでもある。 本作では富士子ちゃんの武器である京言葉を存分に堪能できたのでとてもよかったと思った! 山本富士子。いま「富士山 本子」というアナグラムを発見したので取り急ぎ報告しておく。 そんな美子と富士子…

早春

…(51年)、市川崑『日本橋』(56年)、成瀬の『妻として女として』(61年)などさまざま。ちなみに私は自他ともに認めるチカゲーである。現代劇では何とも思わなかったのに、時代劇での髷姿の美しさにアッと驚き、爾来チカゲーを自称するようになったのだ。 チカゲー…淡島千景に魅せられし者のこと。 ◆ゾンビ夫婦◆ 小津映画はよく見ると不気味だが、とりわけ『早春』は群を抜いて不気味である。 映画が始まると早朝の蒲田の風景が3つ続いたあと、夫婦が暮らす長屋の中。横向きで猫のように背を丸める池…

お茶漬の味

…飾る。その美しさは『日本橋』(56年)に載っけた画像をピュッと見てもらえれば一目瞭然だろう。 小桜葉子は加山雄三のリアルママンである。本作を最後に映画界から足を洗い「小桜式美容体操」の勝手考案・独自追求・高額講師を務めた(効果のほどは不明)。 淡島千景(左)、小桜葉子(右)。 そして夫婦喧嘩の引き金になった姪を津島恵子が演じる。『七人の侍』(54年)では男装した百姓娘をこれ見よがしに演じた。1996年には日本映画批評家大賞のゴールデン・グローリー賞という何がグローリーなのか全…

日本橋

…富士子、若尾文子。 日本橋を舞台に、一人の芸者がワンワンするという話。 おはようございます。 ゴォゴォ言ってるんですけど、外が。 たまにヒュオーともいう。『北斗の拳』に出てくる誰かしらの拳法使いが構えの姿勢でゆっくり息を吐き出す、みたいな感じでヒュオーともいう。しかも小便色みたいな空です。いやだな。朝から不快な気持ちがしました。 ほんとにさぁ、台風ってなんでこんなにちょくちょく来るの。構ってほしいの? 一人っ子なの? それともNHKの訪問員なの? そうしょっちゅう来られてもね…