俳優で映画を選ぶというのは蓋し理に適っている。
自分好みの男はん、女はんを見っけて、半狂乱のごとく尻を追いまくる。いわばスターシステムというやつだ。
俳優を軸にして映画を観ていくと、普段ならまず観ないであろう作品にも果敢にチャレンジ、観てみたら意外と楽しめたじゃん、楽しめた自分がいるじゃん、よし来たこの俳優のほかの作品をもっと観てこましたろ、おほ、おほほん、というふうに血眼モードで映画を漁る。大漁、どっこい、明日は晴れだ。
やがて葉脈のように映画の世界が広がって、気づいた頃にゃあ博識洽聞、シネマの餓鬼道で映画を貪る廃人と化す…などお得な特典盛りだくさん。
他方、作家主義と称して監督で映画を選ぶのは通の流儀であるが、それだと一点ばかりを掘り下げて一向に視野が広がらねぇ。点と点を結ぶのは監督ではなくスターたちである。映画スターとは点から点へとわれわれを導く夜空の星座なのだ。言うてること分かるけ。
「父ちゃん、あれは何の星座?」
「あの星が『オーシャンズ11』(02年)で、あっちが『フィクサー』(07年)だから…、あれはジョージ・クルーニーだねぇ」
ほらな。
さて、そしてアメコミである。
アメコミ映画にはメインキャスト以外にもさまざまな大物俳優がゲスト出演といった形でガシガシ顔を覗かせている。そこを取っ掛かりにすればアメコミに興味がない人民でもスッと入っていけるかもしれないし、反対にアメコミしか観ない人民には他の映画にアクセスする良い機会になると思っているんだ。
てなこって今回は、そんなゲスト俳優をザッとまとめた次第。題して『アメコミ脇役名鑑』。
いったらんかい!
※アメコミ全作はとても拾いきれないのでマーベル・シネマティック・ユニバースとDCエクステンデッド・ユニバースを対象としています。ご容赦。
【アイアンマン】
『アイアンマン』(08年)
「アイアンモンガー」という滑稽なパワードスーツを着てアイアンマンを苦しめたイケズな男を演じておられる。
ジェフ・ブリッジスといえば『ラスト・ショー』(71年)や『サンダーボルト』(74年)を代表作に持つ70年代アメリカ映画の中心的人物だが、米雑誌で度々おこなわれる「ハリウッドで最も過小評価されている俳優ランキング」では何度も1位に輝くという可哀そうなおじさん。たぶんチョコレートを好まない。
ちなみに私はクリス・クリストファーソンとよく混同してしまう。しかも二人とも俳優業をする傍らギターを弾く。趣味まで似るとは。いっそ合体したらいいのに。
『アイアンマン2』(10年)
鞭でアイアンマンをしばき回す「ウィップラッシュ」という恥ずかしいおじさんを演じた。
ミッキー・ロークはハリウッド切っての二枚目であり、80年代を代表するセックスシンボルだ。1991年にプロボクサーに転向するが猫パンチ事件を引き起こし失墜。それ以降はずんぐりむっくりした体型になり、整形も繰り返したことから別人のような顔面に。まるでメタルバンドのドラマー。
大の愛犬家として知られているのでペットが死ぬたびにニュースになる。
「ミッキー・ロークの愛犬、18歳で大往生!」
「ミッキー・ロークの愛犬チワワが他界!」等。
世界は平和だ。
ガイ・ピアーズ、ベン・キングズレー
『アイアンマン3』(13年)
ガイ・ピアーズ(左)が悪役で、ベン・キングズレー(右)が小悪党を演じている。
こうして見ると『アイアンマン』シリーズの悪役は総じて男臭い。ちなみに音楽面でも『アイアンマン2』の楽曲をAC/DCが手掛けている。やはり男臭い。
ガイ・ピアーズは『L.A.コンフィデンシャル』(97年)や『メメント』(00年)といった通受けする作品にばかり出ている俳優だが、オファー選定眼がないためしょっちゅう爆死する。長年「誰かに似ているなー」と思っていたが、このたびパックンに少し似ていることが判明。
ベン・キングズレーは『ガンジー』(82年)や『シンドラーのリスト』(93年)を代表作に持つ文芸・社会派映画の達人。顔がマカダミアナッツに酷似している。ナイトの称号も手にするほど真面目な俳優だが、70歳を過ぎて急にバカ映画に出始めた。歳を取ると気が緩むのだろうか。
【ハルク】
『インクレディブル・ハルク』(08年)
「ハルク役のエドワード・ノートンはゲスト俳優どころか主演だろ!」という声もあろうが、本来アメコミ映画になど出ない超本格派なので特別にゲスト扱いしたい。
『アメリカン・ヒストリーX』(98年)や『ファイト・クラブ』(99年)で知られるエドワード・ノートン(左)は「時間を無駄にしたくない」と言い切って『アベンジャーズ』のオファーを蹴った分別ある俳優。見た目が気の弱い模範囚。
映画通に好まれるティム・ロス(中央)は『レザボア・ドッグス』(92年)をはじめ「メジャーではあるが少しクセのある映画」に多数出演する曲者俳優。見た目が小悪党。
愛し恥ずかしのリヴちゃん(右)は『アルマゲドン』(98年)や『ロード・オブ・ザ・リング』(01年)のヒロインで知られているが、本来は意味不明のアート系もしくはインディーズ映画に進んで出るような物好きな女優である。父親はエアロスミスの歌係スティーヴン・タイラー。
【キャプテン・アメリカ】
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(11年)
日本で缶コーヒーばかり飲んでる猿オヤジ。無類の自販機好き。
なまじ『メン・イン・ブラック』(97年)がヒットしすぎたせいでこういうイメージがついてしまったわけだが、90年代には『JFK』(91年)や『逃亡者』(93年)といったアメリカ映画の良心を支えていた。
アメコミ繋がりでは『バットマン フォーエヴァー』(95年)でトゥーフェイスを演じたこともあるが世界中から失笑を買ってしまった。
また、ウィル・スミスと一緒に「BISTRO SMAP」に出演した際は終始不機嫌そうな顔で出されたメシを食っていた。なのに缶コーヒーのCMではハジけまくっている。サービス精神があるのかないのかよく分からない俳優である。
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(14年)
『明日に向って撃て!』(69年)や『スティング』(73年)を代表作に持つ大重鎮。タートルネックの貴公子。
ブラピに似すぎでお馴染みの二枚目だが、82歳になった今はずいぶん顔がパサパサしてきた。
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』という映画自体がレッドフォード主演の『コンドル』(75年)と『大統領の陰謀』(76年)を下敷きにしたポリティカル・アクションなので「ゲスト出演」どころか主役以上に重要なキャラクターを演じている。
2018年に俳優引退を表明して我々を悲しませた。理由はおそらく顔のパサつき。保湿ケアをすればまたすぐに戻ってこれるはずだ。
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(16年)
50代になっても可愛らしいマリサ・トメイ(左)はアイアンマン役のロバート・ダウニー・Jrと過去に交際していたので、二人の共演作『オンリー・ユー』(94年)はMCUファン必見だが、ひとつ問題なのは大して面白くないこと。
マーティン・フリーマン(中央)は何か良いことがあったネズミといった顔をしている。
海外ドラマ『SHERLOCK(シャーロック)』(10年-)でのワトソン役で名を上げた。ちなみにホームズ役がベネディクト・カンバーバッチ(ドクター・ストレンジ!)で、映画版ではロバート・ダウニー・Jrもホームズを演じている。
なぜかアメコミヒーローはやたらと謎を解きたがる。
ウィリアム・ハート(右)は80年代以降のアメリカ映画に出まくっていたハートフルな名脇役で、この男をどれだけ観ているかが現代アメリカ映画に対する愛着に比例するという試論を持っている(ちなみに私はあまり観ていない)。
ある時期まではハゲに抗っていたが、もう諦めた様子。
【マイティ・ソー】
アンソニー・ホプキンス、ナタリー・ポートマン、レネ・ルッソ、ステラン・スカルスガルド
『マイティ・ソー』(11年)
『マイティ・ソー』は豪奢極まりないキャスティングが売りだ。
主演のクリス・ヘムズワースは当時ド新人だが、彼が演じるソーはアベンジャーズの最重要人物なので何が何でもヒットさせねばならない…という事情から「豪華俳優ゴリ押し作戦」が展開されたわけだ。
アンソニー・ホプキンス(左上)とナタリー・ポートマン(右上)は説明不要だろう。アンソニー・ホプキンスはシリアルキラーでナタリー・ポートマンはおじさんキラーだ。
王妃を演じたレネ・ルッソ(左下)は90年代の美のシンボルだが、2005年を最後に映画出演が途絶えてしまう。ところが『マイティ・ソー』で女優業復帰。以降は「ルッソ、ルッソ」と言いながらさまざまな作品で鋭意活躍中。
天文物理学者を演じたステラン・スカルスガルド(右下)はハリウッド⇔ヨーロッパをちょこまかと行き来する名脇役。二人の息子アレクサンダーとビルがとんでもないハンサムに育ったことで世間の婦女子を騒がせた。父として誇らしい反面「息子たちだけイケメンでずるい」と思っている節あり。
その他、日本からは浅野忠信も出演している『マイティ・ソー』。レンタルする際は『マイティ・ジョー』(98年)と間違われんことを。
『マイティ・ソー バトルロイヤル』(17年)
私が忠誠を誓った数少ない女優としてお馴染みのケイト・ブランシェット(左)。
怖れ多いのでケイト様と呼ぶが、彼女は「猛女の会」の会長としてシャーリーズ・セロンとかジェシカ・チャステインといった一騎当千のアマゾネスを従えるかっくいい女の代表である。
本作でも凶悪な敵役として登場し、ソーをイジめたり浅野忠信を殺害するなどやりたい放題の剛腕女を嬉々として熱演。47歳にしてゴスファッションを披露している点も見逃せない。忠誠心たかまるー。
他方、私の周りの中年女性にもファンが多いジェフ・ゴールドブラム(右)は『ザ・フライ』(86年)、『ジュラシック・パーク』(93年)、『インデペンデンス・デイ』(96年)などで知られるスタイル抜群のおっさん。ジョニー・デップをも凌ぐオシャレ番長である。
【ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー】
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(14年)
『危険な情事』(87年)や『101』(96年)で知られるグレン・クローズ(左)は意思の強いおばさんを演じることが多く、博士、裁判長、副大統領役もお茶の子さいさい。私の中の「祖母にしたい女優ランキング」で堂々の5位に輝いたことでも有名。たぶん犬の散歩が趣味。
そしてベニチオ・デル・トロ(右)はゾンビ版ブラピと評されるプエルトリコの国民的スターである。メキシコやキューバと縁の深い俳優だったが、ついにアメコミに手を出して銀河に進出。いわゆるホルマリンに浸かってそうな顔だが、不思議とかっくいい。座右の銘は「兵は神速を尊ぶ」。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(17年)
もはや銀河の危機はこいつらに任せるべき。
言わずと知れた筋肉伝道師。筋肉の教典に従って毎日ヒトを殴りつけるという敬虔な筋肉信奉者である。
伊達政宗はカート・ラッセル(左)の真似をして眼帯をつけたという逸話はあまりに有名。また、一般には知られていないが上杉謙信はスタローン(右)の大ファンだった。
それぞれの主演作『クリフハンガー』(93年)と『トゥームストーン』(93年)で共演したマイケル・ルーカーや、サモ・ハン・キンポーの弟子ミシェール・ヨーも出演するなど高度筋肉成長期のスターが揃い踏みしている点も『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』の大いなる特徴といえる。
【アントマン】
『アントマン』(15年)
マイケル・ダグラス(左)。別名「睨む岩石」。
やたらとクドい岩石ヅラで大きな眼をギョロつかせる油ギッシュなおじさん。妻はLUXスーパーリッチのCMでお馴染みのキャサリン・ゼタ=ジョーンズ(右)。
『ウォール街』(87年)や『ブラック・レイン』(89年)で知られる80年代のトップスターで、90年代以降も『氷の微笑』(92年)をはじめ数々の話題作に出てはあぶく銭をゲットした。
また、セックス依存症としての裏の顔も持つ。2010年には末期癌であることを発表したが、あまりに強い性欲が生きる力に変換されたのか、一瞬で癌を克服した超人である。
ちなみに父親は古典映画の大俳優カーク・ダグラス(現在102歳)で、いつぞやのアカデミー授賞式では不意に片足を上げるという謎のパフォーマンスで健在ぶりをアピール。会場からテキトーな拍手を受けて喜んだ。
『アントマン&ワスプ』(18年)
「美人」と「可愛い」のハイブリッド猫娘。どんな奴でもイチコロさ!
80~90年代にかけては時代のアイコンとして『スカーフェイス』(83年)や『恋のゆくえ』(89年)で世界中を魅了した。その後も『アイ・アム・サム』(01年)など話題作に出続け、還暦を迎えた現在でも衰え知らず。美魔女の代名詞である。
なお、Mr.Childrenの桜井和寿は自身の楽曲において「ミシェル・ファイファーの唇が好きィィィィ、ぅえっへ!」、「ドレスから覗く鎖骨も好きィィィィ、イェッヘッヘ!」と奇声をあげている。
アメコミ繋がりでいえば無論『バットマン リターンズ』(92年)におけるキャットウーマンであろう。ちなみに去年、アン・ハサウェイ版のキャットウーマンを支持する友人と居酒屋で揉めた。
【ドクター・ストレンジ】
『ドクター・ストレンジ』(16年)
スマホの顔認証ができないほど毎日見た目が変わるティルティル(左)がまさかのアメコミ参戦。この人が誰よりもストレンジ。
チベット人の原作キャラを白人女性のティルティルが演じたことがホワイトウォッシュだと一部で批判されたが、もはやティルティルは人種や性別すら超越した神秘的存在なので議論などするだけ無駄。もっと有意義に時間を使え。
『ドクター・ストレンジ』では、ティルティルはイガグリ坊主、マッツ(右)は顔面ペイントを施しての出演となる。総じて言えることはアメコミ映画のゲスト俳優は器が大きい。そしておかしい。
【スパイダーマン】
マイケル・キートン、ジェニファー・コネリー(声だけ)
『スパイダーマン:ホームカミング』(17年)
マイケル・キートン(左)といえばバートン版の『バットマン』(89年)。
そんなマイキーがスパイダーマンの敵役を演じるのだから感慨ひとしお。バットマンVSスパイダーマンという図に脳内変換した人も多いはず。
私が忠誠を誓った数少ない女優としてお馴染みのジェニファー・コネリー(右)は、スパイダーマンのハイテクスーツに内蔵されたナビの声を当てている。完全に声優。吹き替えで観られたら終わり。
それはそうと、ジェニファーとアメコミの縁は深く、燃料タンクを背負った男が空を飛ぶ『ロケッティア』(91年)や、あまりに大失敗したせいでなかったことにされた『ハルク』(03年)にも出演している。
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(19年)
詳細は不明だが、今年公開予定の『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』でジェイク・ギレンホールが悪役ミステリオを演じるらしい。
ジェイクといえばエドワード・ノートンと同系統のメソッドアクターで、映画ファンだけを相手取った低予算の良作で着実にキャリアを築いている実力派。トイ・ストーリーのウッディによく似ている。
過去に出演した娯楽大作といえば『デイ・アフター・トゥモロー』(04年)と『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』(10年)だけで、特に後者が大コケしてからはハリウッドメジャーから距離を置いていたが、ここへきて急にアメコミ参戦。
しきりにジェイクフリークを公言するもののアメコミをあまり観ないやなぎやさんの心中に注目が集まる。
【ブラック・パンサー】
『ブラックパンサー』(18年)
ハリウッドの鶴瓶。
不安そうな表情で肩を揺らす…という独特の芝居で唯一無二のポジションを築き上げたフォレスト・ウィテカーが肩をユラユラさせながらの緊急参戦。
脇役のイメージが強いが、イーストウッドの『バード』(88年)やジム・ジャームッシュの『ゴースト・ドッグ』(99年)のほか、『ラストキング・オブ・スコットランド』(06年)や『大統領の執事の涙』(13年)でも主演を務めてきっちり映画をヒットに導くなどコストパフォーマンスに秀でた俳優である。
争いごとが大嫌いで、あっち向いてホイすら嫌がる。
フォレスト・フォーエヴァー!
【キャプテン・マーベル】
『キャプテン・マーベル』(19年)
今年3月公開の『キャプテン・マーベル』にはアネット・ベニング(左)とジュード・ロウ(右)が金に目がくらんでの出演。
『バグジー』(91年)や『アメリカン・ビューティー』(99年)で知られる無冠の女王アネット・ベニングはショートヘアがよく似合う心優しいお母さん。私の中の「母にしたい女優ランキング」で3位に輝いたことが話題になった。
一方のジュード・ロウは「ハンサムだけどハゲ」とか「ハンサムだけど短足」など、何かにつけて美点と欠点が紐づけられてしまう運命の子。『キャプテン・マーベル』でもモンブランケーキのような髪型を見せつけるのか?
あの言い訳みたいな髪型を…。
【アベンジャーズ シリーズ】
イエジー・スコリモフスキ 『アベンジャーズ』(12年)
ジェームズ・スペイダー 『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(15年)
ジョシュ・ブローリン 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(18年)
マーベルヒーローが一堂に会したお祭り映画の大本命『アベンジャーズ』にもスペシャルゲストが出席しています。
イエジー・スコリモフスキ(左)は『早春』(71年)を手掛けたポーランドの映画監督だが、たまに俳優もやるという中途半端な姿勢を崩さない。
ジェームズ・スペイダー(中央)は海外ドラマ『ブラックリスト』(13年-)で知られる元イケメンのハゲ。柑橘系に例えるならライムによく似ている。
宿敵サノスを演じたジョシュ・ブローリン(右)は『オールド・ボーイ』(13年)、『シン・シティ 復讐の女神』(14年)、『デッドプール2』(18年)などコミックの映画化とあらば何にでも出たがる節操のないオヤジ。がんもどきを連想する顔。
【おまけのDCエクステンデッド・ユニバース】
エイミー・アダムス、マイケル・シャノン、ケビン・コスナー、ダイアン・レイン
『マン・オブ・スティール』(13年)
DCが社運をかけた先発映画『マン・オブ・スティール』には豪華な面々が揃っている。
『魔法にかけられて』(07年)のエイミー・アダムス(左上)と『テイク・シェルター』(11年)のマイケル・シャノン(右上)のほか、もはや出涸らし状態のケビン・こなすー(左下)&ダイアン・レイン(右下)といったロートルにもスポットを当てておられる。
映画ファンには嬉しいキャスティングだ。
ただしケビン・こなすーは竜巻に飛ばされて死ぬ。このシーンでホイットニー・ヒューストンの「エンダー嫌ぁー」を流さなかったのはDCの怠慢と言わざるを得ない。
ジェレミー・アイアンズ、ジェシー・アイゼンバーグ、ホリー・ハンター
『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(16年)
イギリスまるだしの遅咲き紳士ジェレミー・アイアンズ(左)、天パまるだしの打算小僧ジェシー・アイゼンバーグ(中央)、童顔まるだしのやさしみ母さんホリー・ハンター(右)など、すてきな俳優を揃えておられる。
なお、ホリー・ハンターは劇中で爆死する(本作は興行・批評的にも爆死した)。
『スーサイド・スクワッド』(16年)
ジョーカーを演じたハリウッドの藤森慎吾ことジャレッド・レトや、「ヴィオラママになっろーう、弱酸性ヴィ・オ・ラ!」という一発ギャグを駆使するヴィオラ・デイヴィスが名を連ねているが、ゲスト枠としてはややグレードが下がる。
私の読みだとDCはここら辺からキャストのギャラが出せなくなり始めている。
『ワンダーウーマン』(17年)
『フォレスト・ガンプ/一期一会』(94年)で知られるロビン・ライトはクールな女優だけど、マーベルの豪華ゲストに比べるとさすがにショボい。
『ジャスティス・リーグ』(17年)
『セッション』(14年)でぎゃあぎゃあ騒いでいたブチギレ亀オヤジ、そしてサム・ライミ版『スパイダーマン』(02年)にもレギュラー出演していたJ・K・シモンズは好きだけど、依然豪華感はなし。
この『ジャスティス・リーグ』はDCのお祭り映画なので主要キャストへの出演料だけで製作費の大部分を使ったのだろう。特殊効果もショボかったし。
ニコール・キッドマン、ウィレム・デフォー、ドルフ・ラングレン
『アクアマン』(18年)
巻き返したぁー。
アクアマンごときの単体作品でこの豪華さ。今までパッとしないキャスティングばかりだったDCが、まるで水を得た魚のように…。
とはいえ、こっちにかけたギャラを『ジャスティス・リーグ』の特殊効果に回せよと言いたくなる資金ぐりの悪さ。
ニコール・キッドマンとウィレム・デフォーが最高なのは言うに及ばず、ドルフ・ラングレンというのが面白いね。マーベルがロッキーを引き抜くならDCはドラゴを召喚する…ということか。DCとマーベルの『炎の友情』!
高確率で出演作を失敗に導くニコール様が出ているので興行的に溺死すると思っていたが、本国では昨年末に公開されて10億ドル突破の快挙を達成したとの朗報が。おそらく人民はウィレム・デフォー見たさに劇場に足を運んだのだろう。そうに違いない。
水中バカアクションを売りにした『アクアマン』。トレーラーを見て若干イヤな予感がしているが、監督がジェームズ・ワンなのでそこそこ期待が持てるのかもしれない(観に行かないけど)。
現在DCは映画の質的にもキャストの豪華さでもマーベルに完敗しているが、DC派の私としてはどうにか『アクアマン』で一矢報いてほしいところである(観に行かないけど)。
以上をもって『アメコミ脇役名鑑』を終わります。
音楽聴きながらテキトーに書いたのでさほど疲れなかったのが良かったとおもった。むしろ文章を書くより画像を拾ってくる方が大変だったよ。
最後に…。画像サイズの問題で使えなかったけど、リヴちゃんのミラクル・キューティー・フォトを載せておきますっ。
ぅワオ!
ドワナ・クローズ・マイアーイズ!!