先日アップした『アメコミ映画十選』の中で、「私は4日ぐらい使ってジェニファー・コネリー特集の記事を書きたいと思っているぐらいにはジェニファー・コネリーが好きです」と何気なく呟いたところ、3人もの読者の方から「おう、やれやれ」とリクエストがあったので、よし来たとばかりにジェニファー・コネリーを大特集! 春だしな!
特派員 ハペボンさん、katinさん、Gさん、リクエストありがとうございました。御三方もジェニファーファン、略してジェニファンなのですね。
私にとっては3人ってものすごい数だよ。
100倍したら300人だからな。
もはやちょっとしたスパルタ軍だよ。
というわけで、新コーナー「俳優かく語りき」の記念すべき第一回目を飾るのはジェニファー・コネリーさんに決定しました。
また、私の脳内でおこなわれた「ジェニファーと言えば選手権」で堂々の一位にも輝いたジェニファー・コネリーさんには、賞品として私が鴨川で拾ってきたスベスベの石一個が贈呈されます。おめでとうございます。
私の中でジェニファーといえば、ジョーンズでもアニストンでもローレンスでもロペスでもラブ・ヒューイットでもなく、コネリーなのだ!
なんならコネリー以外のジェニファーなんて紛い物だとさえ思っています。
すまん、それは言いすぎた。
もくじ
①アイドルとしてのジェニファー
ジェニファー・コネリー
1970年生まれ(47歳)のクールビューティー。
巨匠セルジオ・レオーネの遺作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(84年)で銀幕デビューした彼女は、イタリアン・ホラーの雄ダリオ・アルジェントの『フェノミナ』(85年)や、デヴィッド・ボウイと共演した『ラビリンス/魔王の迷宮』(86年)などで持ち前の美貌を大いに見せつける。
お嬢様のような知的でクールな顔立ちに反して、ホットでグラマラスな身体というギャップが大いに受けた。一見矛盾するようだが、クール+ホット=ジェニファー・コネリーという弁証法的アプローチで世界を虜にしたのだ!
また、仲間由紀恵をも凌駕する艶やかな黒髪ロングがトレードマークである。ちなみに近作『バージニア その町の秘密』(10年)では人生初のブロンドを披露したが、髪型評論家としては「そりゃダメだ、ジェニファー」と苦言を呈さざるを得ない。
彼女がまだ10代だった80年代は、日本人受けする容姿からポスト ブルック・シールズとしてアイドル的な人気を得たらしい。日本の雑誌やコマーシャルの仕事にも意欲的で、『ロードショー』の表紙を飾ったりLUXスーパーリッチのCMで美しい黒髪を大いに靡かせるなどした。
アイドル女優として大活躍した最初の黄金期だ。
「いつも髪がすてきなジェニファー。 彼女はLUXスーパーリッチ」
この説得力たるやってことですよ。
②乳の季節を謳歌するジェニファー
ところが90年代に入ると、いきなり人気が下火になる。はやっ。
私なりに原因を分析すると、ひとつは作品の選定眼のなさ。来た仕事を選ばないのか、選んだ結果がコレなのかは分からないが、この時期のジェニファーはどうしようもない映画にばかり出ている。
もうひとつの原因は女優戦国時代。90年代のハリウッドは怪物みたいな新人女優が爆発的に増加してロマンティック・コメディやラブストーリーが花開いた時代なので、デミ・ムーア、ジュリア・ロバーツ、ニコール・キッドマン、サンドラ・ブロック、ナタリー・ポートマン、メグ・ライアン、キャメロン・ディアスといった競合相手の貪欲さに圧されてしまったのではないか?
焦ったジェニファーは「皆にはなくて私だけにあるもの…」と個性を模索した結果、持ち前のセクシーボディを活かしてめったやたらに脱ぎまくり、おっぱい女優として開花する。
『ホット・スポット』(90年)や『狼たちの街』(96年)といったどうしようもない映画で隙あらば乳を放り出している。
ファンとしては非常に悲しい。でも嬉しい。悲しみの涙と随喜の涙が一粒ずつ交互に滴るわー。
90年代。それはジェニファー・コネリーにとっては乳の季節でありました。
③どうにもとまらないジェニファー
しかし、そんなおっぱいの袋小路に追いつめられたジェニファーにようやく一縷の光が射す。エジプトが生んだセンス・オブ・ワンダー、アレックス・プロヤス監督の『ダークシティ』(98年)が高く評価されてカルト的な人気を博し、ジェニファーにとっては『フェノミナ』と『ラビリンス/魔王の迷宮』に続く代表作になった。
ジェニファーの快進撃は止まらない。
後に名匠になるダーレン・アロノフスキーの出世作『レクイエム・フォー・ドリーム』(00年)では、売春や凌辱プレイをするヘロイン漬けの女という強烈な役を見事に演じる。しょっちゅう乳を放り出していた90年代の経験がここで活きたのだ!
まさにおっぱい伏線回収。90年代にヤケクソみたいに披露していたヌードは伏線だったわけですね。すべてが計算し尽くされている。
さらには、名匠ロン・ハワードの『ビューティフル・マインド』(01年)でアカデミー賞助演女優賞受賞をはじめ、さまざまな賞をふんだくる。
邦楽史に燦然と輝く山本リンダの「どうにもとまらない」を孤独の自部屋で歌いたいほど、ジェニファーの快進撃が止まらない。これが第二の黄金期だ。
④爛熟するジェニファー
以降、大きな賞に輝くような作品はなかったものの、『砂と霧の家』(03年)、『リトル・チルドレン』(06年)、『帰らない日々』(07年)といった優秀な文芸映画で女優としての地盤を固めたジェニファーは、もうアイドル女優でもおっぱい女優でもない。爛熟期を迎えた一流女優になったのだ。
私生活では2003年にポール・ベタニーと結婚。
名バイプレーヤーだけどそれほど知名度の高い俳優ではないので覚えにくいよーという方は、ベタニーとコネリーということで「ベタベタしたものをコネる」というイメージに紐づけると覚えやすいかもしれませんね。
ベタベタベタニーとコネコネコネリーはおしどり夫婦らしく、よく一緒に街とか歩いてるらしい(うっすい情報をすみません)。
また、近年のジェニファーはだいぶ痩せており、なんか肌が褐色になっている。
黒髪・褐色・ぽきぽきという共通項から、なんとなく現在のデミ・ムーアを連想してしまうが、デミ・ムーアに比べてまだまだ綺麗だし、まだまだイケる。
まだまだコネリー!
パパラッチに向けて中指を立てるベタニー氏。
⑤ベスト・ジェニファーTOP5
ジェニファー・コネリーがコネリーコネリーしている映画を5つ選びました。
基準?
俺の好みザッツオールだよ。
5位『地球が静止する日』(08年)
ロバート・ワイズ監督『地球の静止する日』(51年)のリメイク。邦題がクソややこしいわ。「が」か「の」の違い!
映画自体は産業廃棄物みたいな出来だが、貴重な前髪ジェニファーを拝めるので髪型評論家としては無視できない。
こないだ夜中にタクシーに乗ったら、ちょうど運転手が死んだ魚のような目でこの映画をボーッと見ていた。「この映画の見所はジェニファー・コネリーの前髪ですよ!」と言いたくなったが、乗車拒否されたら嫌なのでやめておいた。
4位『ブラッド・ダイヤモンド』(06年)
シエラレオネ内戦における紛争ダイヤモンドを描いたレオナルド・ディカプリオ主演の作品。社会性と娯楽性をうまく折衷した、わりとお気に入りの一本である。
ここでは戦場ジャーナリストを演じたパーマ・ジェニファーがお楽しみ頂けるので、「そろそろパーマ当てようかなぁ」と考えている女性におすすめ。この映画のパーマ・ジェニファーを基準に、ご自身の髪と相談してくださいね。
3位『レクイエム・フォー・ドリーム』
『レスラー』(08年)や『ブラック・スワン』(10年) のダーレン・アロノフスキーの出世作。
薬物依存で堕落する人々を描いた、鬱映画として名高い作品である。全編ドラッグの酩酊感や不安感を可視化したようなアシッドムービーなので、お酒を飲みながら観ると疑似体験できて楽しめる確率は高い。
ヘロイン漬けで脂汗を滲ませるハードコア・ジェニファーが相当ヤバいが、妙な色気もあって…、リンダ困っちゃう。
我らのハードコア・ジェニファーがヌードすら超える衝撃のシーンを演じてます。
2位『フェノミナ』
ジャッロ映画(グラン・ギニョールに影響を受けたイタリア式スリラー)の雄、ダリオ・アルジェントの代表作のひとつであり、スーパーファミコンのゲーム『クロックタワー』の元ネタにもなったモダンホラー。
当時15歳の可憐ジェニファーが蛆虫だらけのプールに落ちたりする。
可憐ジェニファーが髪を靡かせるシーン(画像参照)は、そのままLUXスーパーリッチのCMに流用できそう。
1位『砂と霧の家』
家を差し押さえられて強制退去させられた差押えられジェニファーが、イランからアメリカに亡命してきてその家を買おうとしたイラン人一家に「家は渡さねえぞー」つって対立する、一軒の家をめぐる複雑なヒューマンドラマだ。
映画としても素晴らしいし、差押えられジェニファーも魅力的。
トータリティに秀でたジェニファー映画の決定版に挙げたい。
いかがだったでしょうか。
ジェニファンの方もノット・ジェニファンの方も、ジェニファーへの愛をコネてくれましたでしょうか。むしろ「ジェニファーにコネられたい」と思って頂けましたでしょうか。
私はジェニファーに対して鴨川で拾ってきたスベスベの石一個を贈呈したわけですが、彼女をフィーチャーした文章をこれだけ精一杯書いたのだから、むしろジェニファーが私に対して何か素敵なものを贈呈すべきだとさえ思い始めてます。
何はさておき、存命中の映画女優の中で4番目ぐらいには好きなジェニファー(ちなみに一番好きなのはナオミ・ワッツ。これは揺るがん)。
Jホラー『仄暗い水の底から』(02年)をジェニファー主演でハリウッド・リメイクした『ダーク・ウォーター』(05年)がまだちゃんと観れてないので、DVD借りに行ってきます。
以上、春のジェニファー・コネリー特集でした。
最後はとっておきのジェニファー画像 for you。
ワォ!