役者が起こした問題はスクリーンの中で落とし前をつける ~それがバッボイ(それこそがバッボイ)~
2024年。アディル・エル・アルビ、ビラル・ファラー監督。ウィル・スミス、マーティン・ローレンス。
お待ちどおさん。バッドボーイズの2人がバッボイバッボイ言いながらバッボイする中身。シリーズ4度目となるバッボイ。4をフォーと呼ぶならばバッフォイとも言えるが…。
ありがとう。やろうな?
イエローモンキーが新しいレコードを出して「買ってね」と言っていたので、イエローモンキーが新しいレコードを出して「買ってね」と言っていたから買うか、と思い四条烏丸のJEUGIAに行ったら在庫切れ。
おっほーん、よろしやん。在庫切れということはそれだけ人気があるということ。売上好調の傍証。売上好調ということはイエローモンキーの利するところ。それすなわちフアンであるおりの望むところ。思わず「おり」だなんて「おれ」の変化形を使用してしまうほど、おりの本懐ザッツオールといえるところ。
心に余裕があるから「JAM」でも歌おかな。「素敵なCDが欲しいけど、あんまり売ってないから、好きな歌をうーたうー」ゆうて。サビの「Good Night」を「売ってないと」に置き換えて。
笑お。パッパッパッパッパ!
善哉、善哉。べつに今すぐ欲しいわけじゃないから焦ることもあるまいでやんす。
あったらそのとき買お。
後日また見にきて、あったらそのとき買お。
それが巡り合わせというもの。糸というもの。織りなす布はいつか誰かを暖めうるかもしれないというもの。それがタイミングというもの。ぼーくのコーコロ和まっすーうー、なーんてーフシギなーチカーラーアーアーというもの。
おりは大人の余裕の持ち主。というより、大人の余裕神社の神主とさえ言えていくかも。
ちゅうて、後日。
しょうもない顔して寺町京極を漫ろ歩いてたら「そいや、ここにもJEUGIAがあったな。ここで買お♪」と思い、JEUGIA三条本店に行ったら、またぞろ在庫切れ。
売り切れ倒しとるがな。
おーん、ほっほーん。ンーフ~ン?
本店でも在庫切れとは、さすがおりの見込んだロックバンド。いぇい。やったじゃん、イエローモンキー。JEUGIA三条本店と四条烏丸店で売り切れてんじゃん。超ウケる。やったじゃんかいさ。その新譜の最後の一枚を買ったのは果たして誰でしょうかねえ。新婦さんかな、はたまた神父さんかな!?
…なんて機嫌よう言うとりますけども、若干いらいらするなぁ。むかつきを禁じえないでいるなぁ。なんで2店舗とも在庫切れやねん。ふざけ散らしやがって。たとえばさぁ、「むっつりすな」で有名なレスとか、「生け花」がヒットした不利みたいな流行りのレコードならまだしも、もうすぐ還暦迎える90年代のバンドやぞ、イエモンて。
あ間違えた。「むっつりすな」のレス、じゃなくて「うっせぇわ」のadoやったわ。
あと「生け花」の不利、じゃなくて「ドライフラワー」の優里でした。
意味、逆やった。ヘタこいた~。
欲しいレコードが2店舗連続売り切れだったとしても、おりは負けないし、投げ出さないし、逃げ出さないし、信じ抜くよ。
些事WOMAN一人っ子アイドルだって「それは些事」で歌っていたぢゃないか。
あ間違えた。大事MANブラザーズバンドの「それが大事」か。
意味、逆やった。ヘタだけをこいた~。
なにしろ、おりにはまだ切り札がある。JEUGIA三条本店からぴゅっと河原町通りに出たところの、タワーレコード京都店!
ちゅて、しょうもない顔して、光フレッツの如きすばしこさでタワレコに向かったおり、「あれ。在庫あれ。あれあれあれあれ」と念じながら火の玉になって新譜コーナーへぶっ飛んでったが在庫切れ。
NAI。
はい、NAI。
それでは歌います。ザ・イエローモンキーで「NAI」。
な な 何もないあなたと
な な 何もないあたす
な な 何もない世界で
な な 長いくちづけを
な な 何もないあなたと
な な 何もないあたす
な な 何もないあなたが
な な な な な な な な
ない ない ない ない
ない ない ない ない
な~~~~~~~~い
ないないないなーい ないないないなーい
ないないないなーい ないないないなーい
ないないないなーい ないないないなーい
ないないないなーい ないないないなーい
なああああああああい
なんでNAIねん。
なんでや。
せんど「NO MUSIC, NO LIFE」とかうそぶき倒して、NO RECORDとはな。一本取られたわ。なにがタワーレコードやねん。なかっタワーレコードやんけ。どっちか言うたら。イエローモンキーの新譜買いに行ったけどなかっタワーレコード~! ゆうて。人差し指立てながら。ぶぅわぁ~洟垂らして。
その一週間後、「あれあれあれあれ」と念じながら再び四条烏丸JEUGIAに赴いたが相変わらずレコードは無く、泣く泣く「NAI」を歌い、その余勢を駆ったままJEUGIA三条本店まで「あるあるあるある」と歩いてって「あれあれあれあれ」と念じながら新譜コーナーをピュッと見たが、無く、泣く泣く「NAI」を歌い、むかついてタワーレコード京都店まで「おりおりおりおり」とおり自身を信じながら歩いてって「あれあれあれあれ」と念じながら新譜コーナーをピュッと見たが、無く、泣く泣く「NAI」を歌ったあと、近くに人がいないことを確認したうえで「なかっタワーレコード」と小声で叫んだ。
そのあと照れた。
これはどういう禍事だろう。
この二週間で再入荷されてないからNAIのか。あるいは再入荷はしたが、おりが行く前にまたぞろ売り切れてしまったからNAIのか。
どちらにせよキレるベクトル、通称キレトルが違うだけで、キレることには変わりないけどね。仮に前者だとしたら「なんで再入荷せえへんねん。アホか店。二週間あったやろ。できたやろ。せえよ」というキレ方をしていたし、後者だとしたら「せっかく再入荷されたレコードをたった二週間で買い尽くした客。買うなよ。辛抱せえ。残しとけよ、おりの為に。考えろ」というキレ方をしていたんだもん。
果たしておりが新譜を聴けるのはいつになるのかしらン。
(アマゾンで買うたらよろしやん、とか、アイチュンで落としたらええやんか、という意見もあろうが、甘いな。考え方がZ世代だな。発想がYouTuberだな。生き方がトー横だな。レコードはレコード店で直接購入する、ちゅのが真の音楽好きなのよ。違うけど。そんなことNAIけど。間違ってるけど。ドナドナ歌うけど。聞いてくりる?)
そんなわけで本日は『バッドボーイズ RIDE OR DIE』です。
やったるでな~~~~!!!
◆因果応報ワチュゴナドゥー◆
ちきしょう、バッボイがまた帰ってきたんだよな~。
もう帰ってこなくていいのに、もう帰ってこなくていいと思ったシリーズほどすぐ帰ってくるんだよな~。
説明不要だろうが、バッボイシリーズとは『アルマゲドン』(98年) や『トランスフォーマー』(07年) シリーズで知られるマイケル・ベイが生み出した刑事バディ系のアクション・コメディ。初監督作の『バッドボーイズ』(95年) 、およびその続編『バッドボーイズ2バッド』(03年) を手掛けたあとはトランスフォーマー監督へとトランスフォームする。
その17年後の2020年、コロナウイルスとともに突如現れたのが監督を挿げ替えての17年ぶりの新作『バッドボーイズ フォー・ライフ』(20年) だった。マイケル・ベイが監督を降板したことで、おれは『フォー・ライフ』評の中でこう叫んでいる。
「やったああああああああ!
これでようやくマイケル・ベイ現象に首をかしげることもなぁぁぁぁけれヴぁぁぁぁ、 140分も160分もダラダラ続くベイ狂騒曲に付き合わされることもないィ――――ッ!
しかも製作やプロデュースにも名を連ねてないときたッ。
やりいいいいいいいい!
でもなぜか脇役でチョロッと出演しているッ!
なんで。
(中略)
ベイじゃないって、いいなあ!!
監督のアディル&ビラルは紛うことなきグッド・ボーイズだ」
なにを言ってるかというと、ベイが降板してベイより腕の立つ新人監督が手掛けた『バッドボーイズ』の新作が観れてうれしい、と言っているのだ。
二代目が初代を超すことある?
あるんである。
ベイに関しては、あるんである。
普通はない。
普通はオリジナルとは超えられないもの。超えられないからオリジナル。オリジナルとはオリジン=起源だから、そも超えられる/超えられないという議論自体が埒外の気違い。
いかな歌自慢が上手にカバーしても宇多田ヒカルの「First Love」は宇多田ヒカルにしか歌えないし、小林由美子も好きだけどクレヨンしんちゃんの声といったら矢島晶子なのである。
では『バッドボーイズ』の生みの親であるマイケル・ベイはどうか!?
新人監督がベイを超えるんである。
余裕しゃくしゃく釈由美子、お茶の子さいさい斎藤洋介って感じで超えるんである。17年ぶりの続編を手掛けたポッと出の新人監督が、キャリア25年にして全米ヒット請負人のベイを楽々、綽々、さいさいで超えた。
これには全ベイが泣いた。
「俺より上手いんかい」と月に吠えた。
なぜベイが新人監督に負けるほどのへなちょこなのか、そもベイとはどういう監督なのかについては過去の『バッド・ボーイズ』評に詳しい。
そんなわけで『バッドボーイズ RIDE OR DIE』。監督は前作に続いてアディル・エル・アルビとビラル・ファラーのコンビ。マイケル・ベイも1秒だけカメオ出演する。
やはり本作最大のトピックといえば、2022年のアカデミー賞で司会者のクリス・ロックを張り倒し世界中で大炎上、映画芸術科学アカデミーの辞職、10年間のアカデミー行事出禁を食らったウィル・スミスの騒動後初となる復帰作、という一点に尽きる。
たっぷり反省したのちの復帰作が『バッドボーイズ』て。
反省してへんやろ。
だって『バッドボーイズ』でウィルが演じる役って、相棒のマーティン・ローレンスとともに刑事なのに信号無視してポルシェでマイアミをぶっ飛ばしたり、捜査をほったらかしてカーペットの掃除に明け暮れたり、目についた女と手あたり次第に付き合う始末。前作『フォー・ライフ』に至ってはもっと酷く、かつて潜入捜査中に麻薬カルテルのボスの妻とデキちゃったウィルが、彼女が黒魔術に傾倒していることにドン引きして愛を捨てて逮捕を選ぶも、実はそのとき女は身ごもっており獄中出産。数十年後、暗殺者として育てられた息子ジェイコブ・スキピオは母を脱獄させ、母の逮捕に関わったマイアミ市警を次々と殺害していく。その中にはシリーズ1作目からレギュラー出演していたウィル&マーティンの上司、ジョー・パントリアーノ警部も含まれていた!
要するにウィルの火照った下半身がすべての原因。こんな自業自得ザッツオールにして因果応報ワチュゴナドゥーな物語がほかにあるでしょうか。
ある!!!
『バッドボーイズ RIDE OR DIE』だ。
◆ハッピー俺ースデー ~そしてウィルをしばく~◆
開幕。例によってマイアミの海岸沿いをスピード違反するウィル&マーティン。
取り留めのない会話からウィルと諍いになったマーティンは「おまえは赤ちゃんの魂で、おれは母親の魂を持っているんだよね」とわけのわからない言説を唱えてマウントをとった。いつもの妄言にウィルが辟易していると、なおもマーティン、「わからないか? ならわかりやすく言ってやる。おまえはロバだ。そして俺がロバの飼い主!」と、もっとわけのわからない言説を唱えた。
その後、あれだけ遊び人だったウィルの結婚式が唐突に始まる。その席でマーティンが「ヘイ、メーン。チョキチョキ」などと言いながら、ちょけてバッボイダンスを踊っていると、やおら「きゅうう…」と鳴き、ぶっ倒れて泡吹いた。
長年の不摂生による心臓発作で死亡したのである。
バカじゃねえかな? 死んでもうたやん。
ウィル「なんてこったよ。くそぉ!!!」
くそぉ…?
刹那…
「ヴぁッ、ばぶうううう!」
「ばぶー」といって奇跡的に息を吹き返したマーティンは、今しがた自分はブリリアントな臨死体験をした。ブリリアントすぎた。海辺の流木の前に死んだパントリアーノ警部がいて、両手でバツ印つくって「こっちに来ちゃダメー。まだこっちに来ちゃメー!」ってやってた。その言葉がおれを現し世へと引き戻したのとちがうかなぁ。だからこれからは前だけを見て日々闊達に生きていくことに決めます。世界がかくも鮮やかだったことを今知ったばかりの俺だけにしかできないことを模索してみるよ。翼をひらげて。fly away。いわば今日が俺の誕生日。ハッピー俺ースデー。ありがとう。ファックユー、といった意味のことをまくし立てた。ああ、ついに相棒の気が違ってしまった、とウィルは頭を抱えた。
翌日、ウィルが「頭の病院」へ見舞いに行ったがマーティンは病室におらず、屋上の笠木のうえに立っており、さながら飛び降り自殺寸での様相。
ウィル「早まっちゃあいけねぇ!!」
マーティン 「早まる? むしろ俺たちは遅まっちゃってるのかもわからない。何も知らないんだ。あまりに無知すぎる。なにを言ってるかわかるか? 事件であれ禍災であれ、現象に対して後手後手なんだっつーハナシ。だが安心されたい。くだんの臨死体験で俺は超人と化した。不死身となった。本当だよ。これから起こることもわかる。嵐がくる」
なんて言ったあと、その言葉を無視して「いいからこっち来い」とウィルに抱き寄せられ笠木から降ろされたマーティンの病衣が風に靡き、ぷりぷりの尻が丸出しになった。
「やん」
シュールすぎる、と思った。
や、おれはギリ分かるで? ギリ分かるけど、ギリ分かるおれでさえ当惑するほど…。
これドラッグムービーですよ。
LSDとかが流行った60年代にたくさん作られたトリップ映像満載の白昼夢みたいな支離滅裂なサイケデリック・ムーブメントじゃんか。完全にその系譜。映像もぐるぐるでドロドロだし。脈絡だってキャベツぐらい千切りにされてる。
世界的に有名なエンタメ超大作でなにしとんねん。
あーでも、なるほどね。わかってきた、わかってきた。おれって頭かしこいなああああああ。バッボイ見るのうまいなああああああ。
前作がウィルの物語だとすれば、今作はマーティンにフォーカスした作品で。
ウィルの結婚式での臨死体験を機に様子がおかしくなり、自称予知者にして自称不死身を唱えだしたマーティンは、実際、見えない力に守られてるかのような強運で絶望的窮地を乗り越える。“絶対に敵の弾が当たらないバフが掛かったチートキャラ”として生身のウィルを守るんである。
どうやらおれはオープニングシーンにおけるマーティンの言説を「妄言」と表現したことを詫びねばならんようだ。奴はウィルに対して、こう言った。
「わからないか? ならわかりやすく言ってやる。おまえはロバだ。そして俺がロバの飼い主!」
今ならわかるね。イエス・キリストはロバに乗ってエルサレムに入城した。これなら「おまえは赤ちゃんの魂で、おれは母親の魂を持っているんだよね」という台詞にも合点がいくし、神のモチーフは過去作にも通底している。
また、普段はへなちょこのマーティンが頼れるウィルを守る、という逆転構図は、いみじくもアカデミー賞でのビンタ事件によって失速していたウィルとも重なる。
現に映画中盤、ウィルは無因果的にイップスに陥り、思うように戦えずパワーダウンしてしまう…という取ってつけたような悪展開を迎えるのだが「目を覚ませバカタレ!」と鼓舞してこれを打破したのがマーティン。
ウィルの横っ面をビンタした。
それも2~3発。
なんたるメタ自虐。役者が起こした問題はスクリーンの中で落とし前をつける。格好いいといえば格好いいが、スクリーンを贖罪の場とすな、といえばスクリーンを贖罪の場とすな。だがザッツ・エンタテイメント。これがショー。いいでしょう。
役者は魚で、映画はまな板だ。
寿司屋が監督で、客がおれ。
ガリがおまえ。
ウィルの横っ面をビンタしたマーティン・ローレンス。
◆AMMOの面々には、ああもう!◆
そういやまだ大筋を紹介してなかったが、筋などどうでもよろしい。どうでもよろしいが書いておかないと悲しむ読者がいるかもしらんので一応書いておくと、前作で殺されたパントリアーノ警部に汚職疑惑がかけられ、それを擁護したバッボイ達も容疑者として警察からも敵組織からも追われる身となり…みたいな、よくある話よ。
故パントリアーノ警部は「内部に黒幕がいる。誰も信用するな」とふたりに警告したが、ふたりは早速、前作で仲よくなったAMMO(マイアミ・ハイテク捜査班)の面々を信用する。
ちゃうちゃう…。「誰も信用するな」って言われたばっかやん。話聞けよ。すぐ信用するやん。AMMOは別、みたいな顔してるけど、別やないよ。信用すな、て言われた端からすぐ信用するやん。「内部に黒幕がいる」って言われたのに?
あまつさえウィルの息子ジェイコブまで頭っから信用する。
ちゃうちゃう。いちばん信用したらあかん奴をなんですぐ信用するの。パントリアーノ警部を殺した奴やで。ウィルにとっては心中複雑の極みや。なんの因果か、血こそ繋がってないもののバッボイの親代わりであるパントリアーノ警部を殺したのが血の繋がったウィルの息子っていうさ。おいそれと信用するのはさすがに…って逡巡するのが普通なのに、なんで信用、すぐするの。話聞けよ。「誰も信用するな」って言われたのにすぐ誰かを信用するやん。走れメロスか、おまえ。
ま、とはいえ前作のラストで匂わされていた「息子のジェイコブが次作では味方に!?」というクリフハンガーは利いてたけどな。
あと前作繋がりでいうとAMMOのパオラ・ヌニェスことパオラ姐さん!
前作の評では、 『マトリックス』のトリニティで知られるキャリー=アン・モスや現在のジェニファー・コネリーを彷彿させるエキゾチックな黒髪美人で、私の美のキャッチャーミットにバスンと来たことを報告したが、今作のパオラ姐さんはなんかあんまりバスンと来なかったな。
地方検事のヨアン・グリフィズ(こいつが黒幕)と結婚して、上から目線でバッボイの捜査に難癖ばかりつけてたくせに、ヨアンが黒幕と知った途端「マジかよ。すべての元凶、旦那かよ。悪かったわね。迷惑かけたわ。じゃあ、今から私もバッボイ。3人目のバッボイ。皆でしようよガッポイ」とばかりにバッボイ面。なんちゅうのか、現場で命張って戦う前作の姿こそ美しかったのに、変に昇進して指令室の人と化したうえ、よりにもよって黒幕と結婚する今作のアンポンタンぶりというか節穴ぶりというか。キャラクターとしての器が一回り小さくなってしまい魅力減退。ビジュアルも前作の法螺貝みたいな髪型の方がソークールだったのに、なにさ、スットントンのアジアンストレートでマイアミの夏を先取りしちゃってサ!
他のメンバーに関しても、アレクサンダー・ルドウィグとヴァネッサ・ハジェンズが交際してるって設定にもノーを叩きつけてやるぜ。おらあ! 別にぼかぁ、真剣交際なら祝福するんですけどね、なんか遊び半分っていうか、試しに付き合ってみない? ゆうて、築地市場で試食するみたいな浅い動機に基づいたカップルは好かん。基づくな、そんなもんに。
画像上が今作のパオラ姐さんで、下が前作のパオラ姐さん。きみはどちらのパオラ姐さんにパオーラを感じるか!?
そんなわけで、とうに批評など見失っております『バッドボーイズ RIDE OR DIE』。
ウィルがビンタされてけじめつけた、ってだけの…映画というよりは事後報告やね。
『ビンタ or DIE』ですよ、こんなものは。
せんどイキり散らかしたオレ様映画で主演を飾ってきたウィル・スミスが、スクリーン越しにビンタされる醜態を晒すか、しからずんば俳優としてDIEするか。
ウィルはビンタされる方を選んだ!
「だから許してくださいよ、アカデミーはん。出禁10年はシャレなりまへんて。僕はバッドボーイズである前にアッカデーミズなんですよ」
なにをいっているのだろうか。わけのわからん子である。
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