シネマ一刀両断

面白い映画は手放しに褒めちぎり、くだらない映画はメタメタにけなす! 歯に衣着せぬハートフル本音映画評!

ポケモン・ザ・ムービーXY 光輪の超魔神 フーパ

ポケモンの話を延々してるだけの回です。

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2015年。湯山邦彦監督。アニメーション作品。

 

旅の途中で「あらゆるものを取り出すことができるリング」を持つ幻のポケモン、フーパと出会ったサトシとピカチュウたち。一緒に旅をすることになった一行は、砂漠の街・デセルシティにたどり着く。しかし、そこで100年前に街を破壊したポケモンを封じ込めていた「いましめのツボ」の封印が解かれてしまい、邪気をまとった伝説のポケモンが復活。街を守るため、フーパも自身のリングを使って伝説のポケモンを呼び寄せる。(Yahoo!映画より)

 


はい、おはよー。

性懲りもなくポケッツモンスツーですねー。しつこいにも程がありますねぇ。

エキスパンションパス第2弾の情報解禁と同時に「サトシのピカチュウ」が配布されました。

サトシのキャップを被ってて、親名もサトシになってるの。覚えてる技もアニポケのピカチュウと同じ。うざ。

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ちなみに性格はどの能力にも補正が掛からない“がんばりや”(一番いらね)。例によってライチュウへの進化を拒む。さっそく個体値をチェックしたところ0Vの糞個体でした。いらね。

とりあえずサトシから頂いたピカチュウ(糞個体)はボックスの中で凍結させておきます。そんなわけで本日は『ポケモン・ザ・ムービーXY 光輪の超魔神 フーパ』

※レビューストックを補充するために明日からしばらくお休みします。

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◆アニポケの話

前回『ポケモン・ザ・ムービーXY&Z ボルケニオンと機巧のマギアナ』(16年)を扱ったときはアニポケ『XY』を見てなかったので、サトシとともに旅をするセレナ、シトロン、ユリーカが何者なのか分からなかったが、あれから最高傑作の呼び名も高い『XY』を見始めたところ、まんまと全話一気に見てしまったのだねえ。なに、今のポケモンってこんなにクオリティ高いの? と思いきや『XY』が特別らしく、こんな質の高いアニメを毎週放送してたのが勿体ないと感じるくらい作画・構成ともに冴え渡ってたわ。

無印版では青臭くて大嫌いだったサトシも20年の月日の中で精神的に逞しくなり、思いやりと男らしさに満ちた好青年へと成長(実年齢は変わってないが)。発明家のシトロンとその妹ユリーカの兄妹もキャラクターが見えてくるうちに好きになってくるし、何よりシトロン役の梶裕貴がいい。そして何といってもサトシに片思いするセレナ。アニポケ史において“恋愛感情を持つ初のメインキャラクター”という唯一性ゆえに歴代ヒロインの中で圧倒的人気を誇っているというのよ。

それじゃあ『XY』ベストエピソードTOP5でも紹介するわ。

もはや映画にかこつけてポケモンの話をしたいだけの暴走機関車と化した私であります。

 

第5位【ユリーカお世話です! 甘えん坊のチゴラス!!

ロケット団がカセキ研究所から奪いとった古代の化石ポケモン・チゴラスが逃亡。岩の隙間に挟まってギャーギャーもがいていたところを世話好きの少女ユリーカに助けられて友情を育む…といったユリーカ回屈指のエピソードである。

ユリーカの夢はポケモントレーナーになること。現にこの娘は野生ポケモンから無条件で好かれ、他人のポケモン…果ては伝説ポケモンとも仲良くなれるという天賦の才を持つ少女だが、この世界特有の10歳未満のガキはトレーナーになれないという忌々しい年齢制限ゆえにサトシたちの手持ちポケモンの世話を買って出ている。

そこで出会ったのが甘えん坊のチゴラス。ともに遊び世話をするうち、ユリーカは将来チゴラスを手持ちポケモンにしたいと思うようになるが、そこへロケット団が現れユリーカを急襲。チゴラスはユリーカを助けたいという一心からガチゴラスに進化してロケット団を撃退するが、そこへカセキ研究所の人たちが来てガチゴラスを引き取ることに。束の間の熱い友情を育んだユリーカとガチゴラスは離れ離れになるのでありました!

いっやー。ほかにもユリーカ回は幼少期における出会いと別れを追体験させてくれる『E.T.』(82年)的なエピソードが多くて毎回ジーンとさせられちゃうのよねえ。

「お涙頂戴」と言われるような視聴者を泣かせにかかる大仰なメロドラマとは無縁の素朴な回ではあるが、その素朴な演出に感動する視聴者もいる…ということを作り手の皆さんはゆめゆめ忘れてはなりませんよ! 

f:id:hukadume7272:20201008021351j:plainチゴラスの体毛をブラッシングしてやるユリーカ(ガチゴラスパジャマ着用)。

 

第4位【ぶきみな雨宿り!ニャスパーは見ていた!!

旅の道中で雷雨に見舞われたサトシたちは「やっべー」とかいいながら雨宿りに立ち寄った屋敷内でブキミな怪現象に見舞われる。

サトシたちが動くババアの肖像画にビビり散らしてる頃、一人はぐれたユリーカ(恐怖耐性あり)は屋敷に住み着いていたニャスパーなるポケモンと戯れていた。かかる怪現象はエスパータイプであるニャスパーの仕業だったんである。

実はこのニャスパー。かつては屋敷に住む未亡人の老婆から可愛がられていた野生ポケモンだったが、病気の老婆は先立たれた夫の形見であるペンダントをニャスパーに託して入院したきり帰らぬ人となってしまった。爾来、何も知らないニャスパーはペンダントを返すために屋敷で老婆の帰りをひとり待ち続けていたのである…。

ニャスパァアアアアアアアア!

なんと健気なニャスパー。忠犬ハチ公ならぬ忠猫ニャス公とはよくいったもの。

老婆の孫娘がニャスパーを連れて墓参りに行くラストシーンが感動的なのは、これまで老婆との思い出に囚われていたニャスパーがようやく屋敷を出られたからにほかなるまい!

大事な人の死をいかに受け入れるかという普遍的なテーマを真正面から描いたナイス回。孤独なニャスパーの遊び相手になったユリーカも陰ながら光ってたわー。

f:id:hukadume7272:20201008021248j:plainニャスパー。

 

第3位【目指せカロスクィーン! セレナ、デビューです!!】

ポケモンパフォーマーを目指すセレナは、ポケモンとのパートナーシップをパフォーマンスで表現する大会「トライポカロン」の制覇を目指している。

相棒のフォッコ&ヤンチャムとともに血の滲む特訓を重ね、ついにトライポカロン初出場への切符を手にしたセレナだが、結果は一次審査敗退。フォッコが本番中にセレナに付けてもらったリボンの端を踏んじゃって派手にすっ転んだのである。

だがフォッコに罪はない。

フォッコの動きやすさを考慮せず、いちびって長いリボンを付けたセレナの不手際が原因だったんじゃああああああああ!

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落ち込むフォッコ。

 

大会が終わったあと、能天気なサトシは「大丈夫、次があるさ」とセレナを励ましたが、これに関しては死ねボケと言わざるをえない。

“今”にすべてを懸けた人間に対して“次”の話をすなよ。

サトシのこういうとこ嫌いだわ~。明日のことしか見えてないような無神経なまでのポジティブさとでも言おうか!

だってそうだろう。一年死ぬ気で勉強して受験落ちたヤツが「来年頑張ればいいじゃん」って言われて「そうだね!」ってなるか? ならんわい。大事なのは今と向き合うことじゃないのか!?

失敗を受け入れ、原因を検分し、弱い自分を乗り越えることじゃああああああああぁないのか!?

何が「次があるさ」だよスットコドッコイ。「明日があるさ」みたいに言うな。坂本九か、オマエの先祖は。

その後、サトシたちの前では気丈に振る舞っていたセレナだったが、夕暮れ時に海に臨む桟橋でフォッコとヤンチャムを抱きしめながら滂沱たる熱き涙を流したあと、トレードマークだった長髪をバッサリ切って優勝を誓うラストシーンに号泣メーン!

それでいいんだ…それでいいんだよセレナ。その悔し涙が、次の大会への汗となり、やがては喜びの涙となるんだ!!!

ただ、切った髪を海にばら撒くのはどうかと思ったがな。

海洋保全の観点から。

f:id:hukadume7272:20201008021305j:plain「次こそは皆で優勝しよう!」とうそぶくセレナ。

 

第2位【ミアレジム戦!サトシVSシトロン!!】

理系男子のシトロンはサトシとの旅を通じて、ポケモンのために身を挺し、根性だけで様々なトラブルを解決し、バトルでは突拍子もない戦術で逆転勝ちを収めていく姿に憧れを抱いていた。だがシトロンはミアレシティのジムリーダーでもあるので、いずれはサトシの前に立ちはだかる大きな壁たりえねばならない。

いよいよサトシがミアレシティを目指す頃には両者の間にただならぬ緊張が走り、普段の仲良しごっこは一切ナシ。旅メンから外れて一足先に故郷ミアレシティに向かったシトロンは、サトシを迎え撃つために得意の分析で対サトシ戦術を編み出すのであった。

そして始まったジム戦。

序盤はシトロンにとってシナリオ通りの試合運びとなったが、中盤はサトシの型破り戦法に翻弄され、終盤戦ではいよいよ万策尽き果て「ここからはアドリブです!」と叫んで相棒のレントラーをけしかける。両者一歩も譲らぬ打ち合いとなった!

熱戦の中、シトロンは「この時間がずっと続けばいい」と願い、サトシも「俺もこんな楽しいバトルはずっとしていたいとも! だけど勝ってバッジは貰ってく!」と心の中で対話する。

シトロン(受け止めてください。これが僕とレントラーの全力です!)

 サトシ (そうだろうとも! 俺たちも負けないぜ!)

シトロン(もっとです…! 最後まで“サトシ”を見せて下さい!)

 サトシ (いいだろうとも! これが俺たちの全力だぁ!)

青い! 熱い! 赤い! 熱い!

そうとも! これぞ魂と魂の首脳会談じゃ!!

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シトロンとレントラー。

 

普段は“よき友人”としてサトシと旅をしていたシトロンだが、この時ばかりはジムリーダーとしての矜持に燃え、普段の穏やかさを捨てて全身全霊で潰しにかかる。だが相手は憧れのサトシ。本気で戦いながらも、心のどこかでは「多分サトシには敵わへんやろな」と直感にも似た諦念のようなものを抱いていたが、その直感を拭い去れたのがレントラーとの絆が爆発する終盤戦。

お互いに後のないクライマックスで、シトロンは決着がつく寸前に「ああ、もうすぐ終わってしまう…」と名残惜しそうに心の中で呟く。号泣メン!

これはあまねく勝負事において本当に本気で相手に立ち向かっていった人間が本当の闘争本能から発される本気の思いザッツライト。

要するにアレだ。勝利を望んで本気になるうち、もはや勝ち負けなんてどうでもよくなって、むしろそこに喜びを見出すあまり、この瞬間を永久のものにしたいというマインドである!

結局シトロンは激闘の末に鼻の差でサトシに敗れたが、やけに晴れやかな表情でジムバッジを渡し、グッと握手を交わして「これからもよろしくお願いします!」なんて、見せつけちゃってくれるじゃないのさ~~。

嫌いじゃない。嫌いじゃないよォー!

勝負師特有のハイな精神状態を見事にアニメートした、ビリリとくるサトロン回でありました。

f:id:hukadume7272:20201008022535j:plainバトルを通じて謎の精神世界で会話しだすサトシとシトロン。 

 

第1位【迷い道は分かれ道!?ムサシとソーナンス!!】

わたしはロケット団のムコニャ推し…わけてもムサシ推しである。

ムコニャ…ロケット団のムサシ、コジロウ、ニャースの総称。

ロケット団といえばサトシのピカチュウを執拗に狙うロクでもない連中であり、毎回「ヤな感じ」という呪文を唱えながら大空に吹き飛ばされる典型的な三枚目、いわばドロンボー一味のようなポジションのヒールである。

なかでもムサシは悪名高く、よくポケモンから嫌われる、コジロウを馬車馬のようにこき使う、ニャースが大事に取っていたおやつを食べる…など外道じみた逸話に事欠かないが、意外とポケモン思いの一面もあってだな…。少しお話ししましょう。

かつてムサシは、苦楽を共にした手持ちポケモンであるドクケイル♂が同種のドクケイル♀と恋仲になったことを機に「あんたは恋に生きなさい」と断腸の思いで野生に返そうと決断する。ムサシは過去に大きな失恋を味わっており、それを今でも悔やんでいた。だからこそ、せっかく結ばれたドクケイルに同じ思いをさせたくなかったのである…!

だが、ムサシへの愛情からなかなか離れようとしないドクケイル。ムサシは涙を堪えながらもわざと冷たく当たり、ドクケイルのモンスターボールをグチャグチャに踏み潰して「もうお前の帰るモンスターボールはないのよ! 分かったらさっさと行きなさい!」と震える声で怒鳴りつけ、ムサシとの思い出を胸に旅立つドクケイルを見送ったのでありました。

「あたしの分まで思いっきり恋して、幸せになんのよーっ!!」

やさしさの照れ隠しからあえてヒールを演じるロケット団。まさに奴らはラブリーチャーミーな敵役なのである。

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ナレーション「がんばれムサシ。おまえにも必ず幸せな日がやってくる」

 

また、ムダに美意識が高く「大女優」を豪語するムサシは、本業であるピカチュウ捕獲作戦そっちのけで「ムサリーナ」や「ムサヴィ」という偽名を使い、ポケモンコンテストやトライポカロンといったポケモンとトレーナーの美を競う大会に出場する。その華麗な大会成績は以下の通り。

ポケモンコンテスト カナズミ大会1次審査敗退

ポケモンコンテスト ハジツゲ大会2次審査敗退

ポケモンコンテスト シダケ大会2次審査敗退

ポケモンコンテスト ミナモ大会2次審査敗退

ポケモンコンテスト キナギ大会2次審査敗退

ポケモンコンテスト ヤマブキ大会2次審査敗退

ポケモンコンテスト ユズリハ大会2次審査敗退

ポケモンコンテスト カジノキ大会ファイナルステージ敗退

ポケモンコンテスト コトブキ大会ファイナルステージ敗退

ポケモンコンテスト ソノオ大会2次審査敗退

ポケモンコンテスト ヨスガ大会2次審査敗退

ポケモンコンテスト ズイ大会優勝

ミクリカップ1次審査敗退

ポケモンコンテスト カンナギ大会敗退

ポケモンコンテスト カワラケ大会優勝

ポケモンコンテスト アケビ大会敗退

ポケモンコンテスト タツナミ大会敗退

ポケモンコンテスト スイレン大会優勝

ポケモンコンテスト アサツキ大会敗退

ポケモンコンテスト トナリノ大会優勝

ポケモンコンテスト カタクリ大会ファイナルステージ敗退

ポケモンコンテスト シンオウグランドフェスティバルセミファイナル敗退

トライポカロン ヒヨク大会1次審査敗退

トライポカロン フウジョ大会2次審査敗退

トライポカロン ヒャッコク大会2次審査敗退

トライポカロン レンリ大会優勝

トライポカロン マスタークラス準決勝敗退

アローラリーグ・マナーロ大会決勝トーナメント1回戦敗退 

 

何度敗れても「この私がなんで負けんのよ」と逆上しては次の大会へのモチベーションに変えるアイアンハートの持ち主。しかもちょこちょこ優勝を飾ってもいる。

f:id:hukadume7272:20201008101154j:plainニャースの方がピカチュウより遥かにかわいいと思う。

 

さて。ようやく「迷い道は分かれ道!?ムサシとソーナンス!!」のエピソード紹介だが、いつものようにピカチュウ捕獲作戦に失敗して大空に吹き飛ばされたロケット団。

コジロウ&ニャースとはぐれたムサシ&ソーナンスは、たまたま海に落ちたところを村のイケメンドクターに救われ、これに一目惚れしたムサシはロケット団を脱退して恋に生きる道を選ぶ。ソーナンスもドクターの家にいた♀の同種と意気投合してイイ感じ。

数日後、やっとの思いでムサシの居場所を突き止めたコジロウとニャースだったが、幸せそうなムサシの顔を見た二人はあえて迎えに行かず、サッと踵を返すのだった!

コジロウ「ムサシが一人の女として幸せを掴もうとしてるのなら祝福してやるべきじゃないのか? それが仲間ってもんだろう…」

ニャース「ムサシとソーナンスが愛に生きるというニャら…、ニャーたちは黙って立ち去るニャ!」

ムサシの幸せを優先してロケット団解散を決意したコジロウとニャースに号泣メン。

だがその後、ニャースがポケモンハンターに捕らわれ、それを知ったムサシは「あんたはこの家で幸せになりなさい」とソーナンスに別れを告げてコジロウと合流。ニャースを救出するためにドクターとの恋を捨て、ロケット団に復帰したのである。

それでもポケモンハンターに圧倒されるムサシ&コジロウ。そこへ駆けつけたのがソーナンスだった!

これが組織愛じゃ!!

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ソーナンス「ソ~ナンス!(意:サヨナラしてきた)」

 ニャース  「ニャんと! おミャーという奴は…」

ソーナンスがかつてのドクケイルのように恋の道を選ばなかったことに「バカよ、あんたは…」と鼻をすするムサシだったが、その言葉はわれわれ視聴者からムサシへとそっくりそのまま返させてもらいましょう。

晴れてロケット団再結成。ポケモンハンターから無事にニャースを救出し、今日も今日とて気球に揺られるムコニャとソーナンス!

ムサシ「私はロケット団…。私には最高の仲間がいる」

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◆よう作られたある◆

で、ようやく映画の話っていう。

もう疲れたわ…。

砂漠の街・デセルシティに着いたサトシ一行は、たどたどしくも人語を話す珍妙ポケモン・フーパと仲良くなり、フーパととも暮らしているバルザ&メアリの兄妹と出会う。

フーパは不思議なリングを身につけているが、これは「どこでもドア」のような効果があり、別の空間への入り口として活用したり任意の空間から「おでましー!」と言って好きな物を“お取り寄せ”することができるんだって。

フーパはこの魔術で人やポケモンを驚かせることに無上の喜びを感じており、術を駆使するたびに「ビックリしたー?」と訊ねて「ウシシ♪」と笑うような、そんな無邪気な奴だった。愛せる。

そんな憎めないフーパだが、100年前にはデセルシティを半壊させた経歴を持ち、その際にバルザ&メアリの祖父が「戒めの壺」を使ってフーパの魔力を封印。爾来フーパは「戒められし姿」として無害化・善良化し、兄妹との絆を深めていったんだって! ああそう!?

そんな折、ピカチュウやフーパを奪おうと企むロケット団が現れ、うっかり「戒めの壺」を破損させたことでフーパ本来の生態である「解き放たれし姿」が出現。再びデセルシティが破滅の危機に瀕する…といったロクでもない中身である。

f:id:hukadume7272:20201008012251j:plainフーパの戒められし姿(上)と解き放たれし姿(下)。

 

原則としてポケモン映画の上映時間は90分台と相場が決まっているが、ちょくちょくディズニーぱちったみたいに短編映画が同時上映される作品があり、その場合は本編の尺が70分台まで短縮されてしまうの。そうなると「東映まんがまつり」のサイズなので必然的に内容は薄くなり、開幕早々に伝説ポケモンが現れてバッタンバッタン戦うだけのB級怪獣映画に成り下がっちまうわけ。

本作もまた『ピカチュウとポケモンおんがくたい』というミュージカル短編がくっ付いているので本編自体は79分とかなり短め。だけど、序破急の「破」が訪れるタイミングをなるべく先延ばしすることでフーパとサトシたちの交流をしっかりドラマタイズしているのでシナリオバランスはよく取れていた方だと思う。

そういえばシリーズ最高傑作と名高い『水の都の護神 ラティアスとラティオス』(02年)を最近観たけれども、やっぱりクライマックスの到来が早過ぎるのよね。バトルシーンだけ見ていたい、という完全キッズ向けの作劇法なんだろうけど、今やポケモンは“お子様向けアニメ”をとうに通過したコンテンツなので、今回のドラマ性重視の転針は英断だったと思うね。

また、性懲りもなく毎年公開される劇場版では伝説ポケモンの暴走にサトシたちが巻き込まれる…というのが恒例のパターンだが、本作はそれだけでなく、フーパとサトシたちの交歓、バルザ&メアリ兄妹との絆、果てはデセルシティとの関わり…といった都市史的なアプローチもあって内容的に結構充実してるっつーか、多角的にドラマが構成されていた。

そして、すべてのドラマ要素においてフーパが中心化されてるってあたりがシナリオの妙で、物語後半は「戒められし姿」と「解き放たれし姿(以下 悪フーパ)」に分裂したフーパが「どっちが本当の僕なの?」とアイデンティファイに苦しむ姿が描き出されちゃったりなんかして、懐かしの『ミュウツーの逆襲』(98年)にも通じる実存主義的なテーマが浮かび上がってきます。

ていうか単純にフーパが可愛いわ。

f:id:hukadume7272:20201008013335j:plainおちょぼ口のフーパ。

 

◆やってることほぼ怪獣総進撃

とはいえ、やっぱり劇場版ポケッツモンスツーの本質は怪獣映画。

ただテキトーに怪獣が暴れてるだけのやっつけカタストロフィを見せられたゴミ映画『幻のポケモン ルギア爆誕』(99年)の頃とは比ぶべくもない成長ぶりで、ゴリ押しスペクタキュラーな怪獣暴走劇の中にも一本筋の通ったドラマが紡がれています。

先述の通り、フーパには別の空間から好きなモノを引っ張ってくる力があるわけだが、都市破壊を目論む悪フーパは世界中のありとあらゆる空間から伝説ポケモンのグラードンカイオーガディアルガパルキアギラティナキュレムを“おでまし”させる。

対して善のフーパは、同じ方法でルギアラティオスラティアス色違いレックウザを召喚。ちなみにルギアは『ルギア爆誕』でサトシを救ったルギアと同一個体なので結構なムネアツ展開といえるわなぁ。

ラティ兄妹もそうかと思ったが、よく考えたら『水の都の護神』のラティオスはラストシーンで死亡したので別個体でしょう。悲しい

f:id:hukadume7272:20201008012508j:plainサトシ応援団。

 

伝説ポケモンオールスターの様相を呈するクライマックスは、さながらゴジラシリーズにおける『怪獣総進撃』(68年)状態。絶対意識してるだろって確信できるLEVEL。

だがサトシ&フーパの戦況は6対4と圧倒的不利。あまつさえラティ兄妹はアイドル枠なので実質的戦力はルギアとレックウザのみ。しかもルギアは攻撃力より耐久性能に秀でた受けポケモンなので勝ち筋なし。

ちなみにこのシーケンスで私が「ミジメだな」と思ったのは、伝説ポケモンたちがビュンビュン空中戦を繰り広げる中 ひとりだけノロノロと陸路を使うグラードンの機動力。

「みんな浮いてるやん」という目で天を見上げるグラードンのさみしみ。せつなみ。ほかの敵5体がサトシに向かってビュンビュン飛んでってもグラードンだけ置いてけぼりにされてるし。「ワシだけ徒歩なん不服や」みたいな怪獣フェイスしちゃって。

あまりに可哀そうだったので、僕はグラードンが映ってるシーンでスピッツの「空も飛べるはず」を歌ってあげました。

なんて優しい僕なんだ。

それはそうと、グラードンの元ネタって絶対ゴジラよねぇ。

円谷感がすごいのよ、こいつだけ。

もうおまえは「つぶらやポケモン」だ。そもそもポケモンの元ネタ自体が『ウルトラセブン』のカプセル怪獣だしね。だけどグラードンはガメラ(大映)にも似てるんだよ、ややこしいことに。まさに東宝(円谷プロ)と大映の折衷的モンスター。

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ゴジラ崩れガメラもどきポケモン、グラードン。

 

一方その頃、サトシの旅仲間であるセレナ、シトロン、ユリーカらは超フーパを封印する「戒めの壺」を複製するためにデセルタワーで陶芸に励む。なんかポケモンたちの力を合わせれば壊れた壺を複製できるんだって。「ふーん」としか言いようのない事実を今言ったけど。

そこに超フーパ率いる伝説勢が猛攻撃を仕掛け、そうはさせまいとサトシ率いる伝説勢がタワーへの集中砲火を食い止めて壺完成まで時間稼ぎをする…というタイムリミットサスペンスもどきが描かれるわけだな。まあ、ご苦労なことではある。

その後、タワーに取り残された人々をフーパのリングで建物の外に“おでまし”させるという決死の救助活動、そしてタワー難民の列にしれっと紛れ込んで助かろうとする諸悪の根源・ロケット団ムコニャの浅ましい姿が描き出されます。元はといえばお前らが原因なのに、しれっと傍観者ヅラをするムコニャ。嫌いじゃない。

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ぼくたち無罪みたいな顔して一般人に混ざるムコニャ。

 

そんなわけで『光輪の超魔神 フーパ』を普通に楽しんだ自分がそこには居たわー。映画を観てないときはアニポケに心の安らぎを求め始めた自分もそこには居るし。

ことによると私は幼児退行してるのかもしれない。

でも、いやいや、そんなことはないと思うよ、と自己弁護したい自分もここには居た。

私は難解映画も芸術映画もサイレント映画もプロパガンダ映画も観るけど今はたまたま一周回ってポケモン映画を見てるだけ。

言ってること、わかるけ。わからない人の為にやなぎやさんのツイートを引用します。

映画ブログを書いてることを知ってる職場の営業(チャラ男)に、休憩時間にスマホの画面をなに観てるんすか?と覗かれて、ちょうど『踊る大捜査線』観てて「あ、そんなもんなんスね」と鼻で笑われた。。。

2020年9月8日の素敵なツイートより

まあ、こういうことである。

やなぎやさんは幅広く映画を観るニンゲンです。日本映画も、海外映画も、戦争映画も。それに古典映画とか、戦争映画とか…。だから当然その中には『踊る大捜査線』も含まれているわけだ。だが営業のチャラ男は、たまたま『踊る大捜査線』を観ていただけのやなぎやさんを、あたかもミーハーのように決めつけました!

私はやなぎやさんの名誉のために声を大にして言いたい。

今はたまたまポケモン映画を見てるだけだ、と。

そして、こうも言いたい。

私はこれからもポケモン映画をたまたま見続けるだろう、と。

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ピカチュウは媚び売りドブネズミなので嫌いです。

 

 

それでは最後に恒例の需要不明企画。

そうとも! お気に入りポケモン紹介コーナーと洒落込もうじゃないのさ。

 

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ぽわァー。厨ポケ使いをぐちょぐちょにするトリトドン

ニックネームは「ぽわぐちょ」。
ずぶとい、呼び水、H236 B252 D20、アッキの実
熱湯/大地のちから/自己再生/カウンター

トリトドンといえば「ぽわーぐちょぐちょ」というキモい鳴き声を発することからネット上では「ぽわぐちょ」と蔑まれてきたナメクジ野郎。ポケモン剣盾ではフィールド上のトリトドンに話しかけると「ぽわーぐちょぐちょ!」というテキストが出るなど、ついに公式が自虐ネタにしたほどのネタポケモンであるが、そんなトリトドンが今強い。

種族値こそ低いが、現環境トップのパッチラゴン、ドサイドン、ウーラオスに強く出られるタイプ相性と「カウンター」「ミラーコート」といった反射技を持つので、本来は弱いポケモンだけど環境トップメタに対してだけはやたら強いという謎ポテンシャルを開花させた。反則級の強さを誇るパッチラゴンに対して受け出しが利くので重宝するんだわー。

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環境を支配するパッチラゴン。

基本的な立ち回りとしては、パッチの「電撃くちばし」読みで無償降臨したあと「逆鱗(またはダイドラグーン)」で突っ張ってきたところに「カウンター」を入れるのが定石だが、もし相手がトリトドン警戒で「逆鱗」から入ってきてもアッキの実(物理技を受けたときに防御が1段階上がる)が発動するので「自己再生」が間に合う=受け成立。

パッチ依存の選出だとこの時点で相手が降参してくることも多く、そもそも最初の見せ合いでこちらのパーティにトリトドンがいるだけでパッチ&ドサイ&連撃ウーラオスあたりの選出抑制にもなるので、その意味では試合が始まる前からすでに仕事を果たしているともいえる有用な人材。

他方、サイクル構築にはめっぽう弱い。あっさり交換されたときに後ろに刺さる技がないので「ミラーコート」を切って「大地のちから」を入れてます。

 

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もう破れかぶれ。殻を破ることで困難を破るポットです。ポットデス

ニックネームは「ポット夫人」。
ずぶとい、呪われボディ、H252 B140 S116、白いハーブ
殻を破る/シャドーボール/バトンタッチ/力を吸いとる

からだが紅茶で出来てる幽霊なんだって。よっぽど居心地がいいのか、アンティークのポットに住み着くことを良しとしている。信頼するトレーナーには少しだけ味見を許してくれるらしい。「少しだけ」ってところが可愛いな。いっぱい飲まれるのは嫌なんか?

また、時おりポットの注ぎ口から顔を出してはニッコリ微笑みかけるといったサービスも怠らない。

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わろとる。

ポットデスといえば「殻を破る」で攻撃・特攻・素早さを上げて「バトンタッチ」で後続に繋げる…という典型的なバトン要員。バレーでいうならアタッカーの為にトスを上げるセッターのポジションかな。

どっこい、もともと特攻と特防が高いので単独でも十分戦える。いま流行りの防御特化アシレーヌに「シャドーボール」で突っ張ったりね。

また、相手の攻撃を下げながらHPを回復できる「力を吸いとる」を覚えるので、物理受けとしてサイクル戦にもねじ込める。そのため努力値配分はHPぶっぱ・防御140と物理耐久に厚く振ってるで。

あーだこーだとポットデスのよさを挙げてきたけど、結局のところは優秀なバトン要員としてどんなパーティ構築にも馴染むのがこいつの個性なんだと思うわ。お出かけする前に姿見の前で「なんか決め手に欠けるなー」つって、どんな場所でもキラリと映える、それでいて派手すぎないアクセサリーを身につける…みたいなことだよね、だからね。困ったときのポットデスというか。

まあ、僕はアクセサリーとか大嫌いなんだけど。

 

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踊れアミーゴ! メキシコ育ちの楽観主義は伊達じゃない。ルンパッパ(色違い)

ニックネームは「ブニュエル」。
ひかえめ、すいすい、H108 B4 C252 D4 S140、命の珠
ハイドロポンプ/エナジーボール/冷凍ビーム/フラフラダンス

デブで能天気なカッパだけど全幅の信頼を寄せてるマイ・ステディだよ。こいつとは苦楽を共にし、同じ釜のメシを食いながら、共にランクマッチバトルを駆け上がってきたの。

種族値こそ低いものの、18年前のルビサファ時代にはカイオーガとグラードンを確殺できる伝説キラーとして暗躍したルンパッパ。その頃は「宿木の種」→「まもる」→「どくどく」→「まもる」のループでハメ殺す害悪耐久型が定番だったが、剣盾環境ではダイマックス技により自ら天候を変えられるので特性「すいすい」が大いに活きる(すいすい…天候が雨だと素早さ2倍)

先述したポットデスの殻破バトンから繋げるのが必勝ルート。当然ダイマックス状態での立ち回りが基本となり、自主的に雨を降らせることで素早さ2倍&水技1.5倍の恩恵をここぞとばかりに受けていくスタイルや。足りない火力は命の珠で補完。それでも突破困難な相手には確定混乱技の「フラフラダンス」で50%の運ゲーに持ち込むなど、たとえ不利対面でもしっかり勝ち筋を残せる、この粘り強さ。どう!

多彩な補助技の習得と戦術の広さ、何より知ってるようで知られていないイイ感じのマイナーポケモンなので、ポットデス→ルンパッパのバトン戦法はあまり警戒されない(どちらも弱点が少ないのでプランも崩れにくい)のが勝ち星に繋がってる気がする。

 

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誰がアイドル崩れや。お月見山の悪魔や、ピクシーや!

ニックネームは「いいゲンガー」。
ずぶとい、マジックガード、HB252 D4、火炎玉
ステルスロック/ムーンフォース/月の光/トリック

「ステルスロック」で場を整えながら火炎トリックで敵陣を攪乱する防御特化ピクシーです。

火炎玉を持たせることで自ら火傷状態になるけど、特性「マジックガード」は攻撃技以外のダメージを無効化するので火傷による定数ダメージは受けない。しかも火傷状態になるということはその他の状態異常にならないということなので受けポケモンに対する流し性能も抜群。砂嵐・霰・催眠・麻痺・宿り木・呪い、すべて無効。

さらには要らなくなった火炎玉を「トリック」で押しつければ物理アタッカーを機能停止に。もともとピクシーは耐久性能がわりと高いので特化すればなかなかの硬さを誇る。相手の選出に積み技を持ったアタッカーがいなければコイツ一匹で止まることもザラ。特性「てんねん」の積みアタッカー型やバトンエース型もメジャーだが、いずれも「お月見山の悪魔」と称されるポテンシャルは無限大や。

ちなみに進化前のピッピは25年前の初代ポケモンにおいてピカチュウ&ニャースらと共にポケモン広告塔としてアニメ・マンガ・グッズ等で売り出されたが、あっという間に淘汰されてしまい、今やピカチュウの一人勝ち。ニャースもアニポケでは大活躍。

つまりピッピ&ピクシーは人気キャラになり損ねたアイドル崩れなのだ!

しかし対戦環境で使用率が高いのは断然ピクシー。なぜって? 強いからさ。人気で負けて強さで勝つ。それがピクシーのアイドル道なのだ!

ざまァ見ろピカチュウ! しね。

 

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とっとと地獄堕ち! ジュラルドン

ニックネームは「タワレコ」。

ひかえめ、ライトメタル、H252 C248 S8、突撃チョッキ
徹底抗戦/流星群/ソーラービーム/電磁波

こいつはダイマックスで暴れ回ったあとに「徹底抗戦」で敵もろとも地獄に堕ちていくだけ。血も涙もねえ。

どっこい、もともと物理耐久が高いうえに耐性が10タイプとかなり多いので長期戦に耐えることができ、そんな時は「電磁波」で妨害or「流星群」撃ち逃げでチョコマカ動かすことが可能。

HPを半分失うかわりに威力140(タイプ一致で210)と超火力を誇る「徹底抗戦」が偉いわ。ポケモンバトルは「積み」や「流し」の高度な駆け引きがあるのでヘタに生き残ってしまったが為に負けが確定する局面が多いけど(腐らせたポケモンをあえて倒さずに積みの起点にするなど)、そんな時に自主退場できる技があると一手の遅れを取り返せるんだよね。

そういう意味でもジュラルドンは非常に器用なポケモンです。キョダイマックスした姿はほぼトランプタワーだけど。

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ただの高層ビル。

 

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後続に勝利をもたらす非戦闘員。これぞクッション、ニャオニクス(オスの姿)

ニックネームは「資生堂」。
ずぶとい、いたずらごころ、HB252 D4、光の粘土
あくび/あまえる/リフレクター/光の壁

オスとメスで容姿と種族値が異なるニャオニクス。先述した「アニポケ『XY』ベストエピソードTOP5」の第4位で紹介したニャスパーの進化系である。 

主なお仕事は壁張り対面操作。ゴリゴリのサポート型ポケモンやで。

基本的にポケモンバトルというのは相手を倒すことを考えながら立ち回るものだが、ニャオニクスに関しては“倒されること”を考えながら立ち回る。

基本的な動きは「あくび」or「あまえる」で対面操作をおこない、倒される2手手前で両壁を張って退場するというもの。特性「いたずら心」は素早さに関係なく変化技を先制で出せるので、この特性をフル活用するためにあえて攻撃技は切っている。

物理攻撃を半減する「リフレクター」と特殊攻撃を半減する「光の壁」が持続するのは8ターンなので、酷なハナシだが両壁を張れた時点でお役御免。なるべくさっさと倒れてくれた方が好都合なのである。非戦闘員であるニャオニクスを場に残していたずらに壁ターンを消費するより、なるべく壁の恩恵が残ってるうちに後続アタッカーを出せばそれだけ行動保証に繋がるので、その後の打ち合いを有利に進められるというわけだ。そのためには何ターン後に倒されるかを予め読み、そこから逆算して壁を張ってかなきゃいけないわけ。

あくまで自分はサポートに徹し、後続にとって最高の有利展開を作る。これが3on3のポケモンバトル。1対1の三本勝負ではなく、お互いの手持ち3匹は一本の綱で結ばれた運命共同体。その中でそれぞれの役割を果たすのである。

つまりニャオニクスは極上のクッションポケモンといえます。大の虫を生かして小の虫を殺す。ニャオニクス=小の虫!

ミクロの犠牲もマクロで見れば勝利に繋がるという非情な論理。

 

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来いよベネット! 弱点突かれて元気もりもり森鴎外。ジュナイパー

ニックネームは「森鴎外」。
いじっぱり、新緑、AS252 H4、弱点保険
リーフブレード/ポルターガイスト/不意打ち/ダブルウイング

アローラ途方を舞台とするゲームシリーズ7作目「サン・ムーン」で最初にゲットできる御三家の一匹・モクローの最終進化形がこいつ、ジュナイパー。

樹海に潜むスナイピングが得意なフクロウだが、こいつは草・ゴーストタイプなので弱点5つと全身急所。しかも見た目に反して鈍足なので先に急所を突かれて死んじゃうという非常に困ったやつで、ネット界隈では「アローラ御三家の恥」と呼ばれている。ひどい。

しかし、だからといって無類のフクロウ好きである私にジュナイパーを見捨てることなど出来やしない! たとえ使いづらくても知恵と工夫で必ず勝利させてやるぞ!

ちゅわけで考えついたのが弱点の多さを逆手に取ったダイマ弱保型。ベタだけどね。

ダイマックスすることで抜群技を一発耐え、そこで「弱点保険」が起動して攻撃力が2段階上昇。それを見越して「ダイジェット」を撃つことで素早さを1段階上げれば、わずか1ターンでA2上昇&S1上昇の鬼ジュナイパーの出来上がりというわけだ。幸い技範囲は広いのでフルアタ構成もなかなか活きる。

とはいえ耐久無振りなのでダイマを切っても一致抜群技を耐えないことも多々あり。相手の動きを見極めながら慎重に育てていく必要があるので、うーん…やっぱ使いづらいわ。