ほぼ天空の城ラピュタ ~早々にレビューを切り上げて「お気に入りポケモン紹介コーナー」に紙幅の半分を費やす男~
2016年。湯山邦彦監督。アニメーション作品。
空から突然降ってきた人間嫌いのポケモン・ボルケニオンと不思議な鎖でつながれてしまったサトシは、ボルケニオンに引きずられる形で超カラクリ都市・アゾット王国にたどり着く。そこでは、大臣のジャービスが人造ポケモン・マギアナに宿るといわれている未知の力「ソウルハート」を利用し、王国の支配をたくらんでいた。つながれたままのサトシとボルケニオンは、力を合わせマギアナ救出に挑む。(映画.comより)
はい、おはヨーギラス。
9月から新シーズンが開幕した『ポケモン剣盾』のランクマッチバトル(オンライン対戦)では対戦環境を荒らしまくってた使用率上位のポケモン16匹が使用禁止になるという異例の措置が取られました。やったね!
エースバーン、ミミッキュ、ゴリランダー、ドリュウズ、トゲキッスあたりのクソッタレ環境トップが一掃されたお陰で従来の戦略・対策・構築が一新し、それまで劣化不遇と揶揄されてきた百姓ポケモンたちが思わぬ注目を浴びて再び王座に返り咲くことになります。
ただし、今秋から配信されるDLC「冠の雪原」では伝説・準伝説ポケモンが続々登場するので、どうせそいつらがのさばって次期環境トップになるんだと思います。ポケモンって将棋と同じで流行り廃りがあるからね。
つまりポケモン剣盾は今がいちばん平和。今がいちばん楽しい。
9月から使用禁止になった環境トップ16(ざまァ見ろ)。
というわけで本日はシネトゥが誇る読者全無視コンテンツ、ポケッツモンスツーですねー。
みんなポケモン好きじゃないの。まじで。僕なんかはポケモン世代ど真ん中…うんにゃ、ポリゴンショック世代ど真ん中だよ。
アニポケを見てなくても「ポリゴンショック」を知っている人は多いだろう。なにせ社会問題になったからね。
ポリゴンショックというのは、1997年12月16日のアニメ放送回「でんのうせんしポリゴン」にて激しいフラッシュが劇中で多用され、全国で651人のキッズが体調不良を訴えて病院に搬送されたという未曾有の電波事件である。
世界のテレビ史を見渡しても例を見ないこの事件は日本の全メディアや厚生労働省を巻き込む社会問題となり、アニポケ放送国であるアメリカやイギリスでは再発防止のガイドラインを導入する事態にまで発展。その時、歴史が動いた。
この事件以降、ポリゴンは金輪際TVシリーズに登場することなく、その進化系であるポリゴン2とポリゴンZも何故かとばっちりを受けてTVシリーズ出禁となる。
当然ながらこの放送回はいわくつきとされ、再放送・海外放送・動画配信サービス等でも放送リストから削除され、今なお欠番扱いされている。
電脳戦士どころか永久戦犯ポリゴン。世界テレビ史に刻みつけた漆黒の汚点!
ちなみに私はリアルタイムでこの放送を見てたけど屁の河童だった(その強靭な瞳が後に私を映画好きへと向かわせたのか?)。
「当時のキッズに謝りたいポリ…」
しかしポリゴン事件をきっかけに、民放アニメほか、映画、ドラマ、バラエティ番組では「テレビを見るときは部屋を明るくしてテレビから離れて見てね!」というテロップが付くようになり、報道番組等でもフラッシュによる点滅の注意勧告がなされるようになった。
ポリゴンはその後のテレビの在り方を大きく変えたのだ。
より良い方へ!
また、ポリゴン事件は海外でも広く知られており、アニメ『ポケットモンスター』は「最も多くの視聴者に発作を起こさせたテレビ番組」としてギネス世界記録に認定されてもいる。何しろポリゴンはたった数十秒のアニメ演出で651人ものキッズを倒したのだからな。強い。
そんなアニポケに対して、私が願うことはただひとつ。
ポリゴンを許してやってほしい。
ポリゴンはもう十分に罰を受けた。かれこれ干されて23年だぞ。これ以上ポリゴンに十字架を背負わせて何になるというのか。ただでさえ、もともとゲーム版『ポケットモンスター赤・緑』では賭博施設の景品扱いされ、金さえあればゲットできる…という資本主義の生贄となった哀れなポケモンなのだ。
それにオンライン対戦ではみんなポリゴン2を使ってるだろうが!
ポリゴン2。圧倒的な耐久力でサイクル戦を制するラブリーチャーミーな敵役。
そんなわけで本日は、ポリゴンを心の片隅に留めながらの『ポケモン・ザ・ムービーXY&Z ボルケニオンと機巧(からくり)のマギアナ』です。
◆ラピュってるやん◆
『ボルケニオンと機巧のマギアナ』は劇場版19作目の作品らしいわ。
時系列としてはTVシリーズ5作目『ポケットモンスター XY』(2013~16年)の延長線上の物語らしいが、いかんせん『XY』は1秒たりとも見てないのでサトシと共に旅をするセレナ、ユリーカ、シトロンのことが全然わからない。すでにこの時点で疎外感がすごいから見るのやめようかな。私のなかで旅のお供といえばタケシとカスミなのに…。
さて、タイトルバックが始まるとサトシの手持ちポケモンたちが山道でバトル修行に明け暮れる様子が描き出されるが、はたして仲間内でバトルしたところで修業になるのだろうか…という素朴な疑問を私は呈したい。仲間だから手加減するだろうし。
それはそうと、アニポケではシリーズが変わるごとにサトシの手持ちポケモンも(ピカチュウ以外)一新されるようだが、どれどれ…。『XY』のサトシの手持ちポケモンは、ゲッコウガ、ファイアロー、ルチャブル、オンバーンか。そのパーティ構成じゃ岩タイプで詰むっしょ。相変わらず何も学習してないな、こいつは。
もうサトシにはうんざりだよ。「ポケモンマスターになる!」なんて漠然とした夢を標榜してかれこれ20年以上も旅してるけど、何をもってポケモンマスターとするのか、その定義は未だ不明。サトシ自身も言及しないし。まあ、多分なにも考えてないんだろうけど。
そんな風にしてサトシへの憎しみを呪詛の如く呟いていると、急にボルケニオンという幻のポケモンが空から降ってきて不思議な鎖でサトシと繋がってしまい運命共同体に!
ボルケニオンはアゾッド王国に囚われたマギアナという人工ポケモンを救出しようとしたらしいが、マギアナを使って王国の支配を企む悪の大臣ジャービス(声:山寺宏一)との戦闘に負けて空から落っこちてきたのである。
そんなわけで、再びアゾッド王国に向かうボルケニオンと、鎖で引っ張られて渋々同行するはめになったサトシたちの冒険が始まっちゃう、というわけだ。ほーん。
サトシの手持ちポケモンたち(AS特化イワパレスの「からをやぶる」→「ロックブラスト」で全抜き確定)。
先日はじめて観た『幻のポケモン ルギア爆誕』(99年)が単調きわまりないB級怪獣アニメだったので「やっぱり『ミュウツーの逆襲』(98年)以降のポケモン映画はどれもキッズ向けなのかな」とガッカリしてたけど、意外や意外、『ボルケニオンと機巧のマギアナ』は簡潔にまとまったシュアな逸品でした。たしかに内容自体はキッズ向けだが、作劇、設定、演出等の作りの部分は存外バカにできないものがあって、本作以降の『キミにきめた!』(17年)、『みんなの物語』(18年)、『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』(19年)の中では最もよいといえる。
いかにシンプルな世界観の中で豊かなドラマを展開できるかというのがキッズムービーの試金石となるけれども、この劇場版は調子のよかった頃のピクサーを思わせる辣腕テリングが発揮されとったで。
物語の主舞台は、マギアナの力を使えば要塞化することができるアゾッド王国と、人間に裏切られたポケモンたちが共生しているネーベル高原の2つだけ。
その高原を守っているのが兄貴分のボルケニオンであり、ジャービスから奪還したマギアナや親なしポケモンたちと共にささやかな楽園を築いている。
一方のアゾッド王国は機械仕掛けのカラクリ都市。王女のキミア(松岡茉優)は幼い頃からマギアナと仲良しだが、その弟のラケル(中川翔子)はジャービスから入れ知恵されたことでマギアナ捕獲を部下に命じてしまう。
ジャービスの目的は、マギアナの胸部に装着された「ソウルハート」という動力源を使ってアゾッド王国を要塞化し、独裁国家の総統に君臨することだ。
…って思いっきり『天空の城ラピュタ』じゃなーい。
アゾッド王国はラピュタ帝国、マギアナはロボット兵、ソウルハートは飛行石、ジャービスはムスカ。ただし空から降ってくるのはシータじゃなくてボルケニオン。
ラピュったなー。言い逃れできないくらいラピュってきてるやん。
アゾッド王国に魅せられるサトシたち。
◆「ちょぴちょ」のかわいげ◆
キャラクターがいいね。
『ルギア爆誕』とか『セレビィ 時を超えた遭遇』のように劇場版タイトルに名前がつくような伝説ポケモンは“聖なる存在”として扱われる場合が多いけど、今作の2体は例外で、ボルケニオンは人間臭く、マギアナは人懐っこく愛らしい。
人間嫌いでつっけんどんなボルケニオンは、ポケモンとトレーナーの絆を信じてやまないサトシに「そんなものは綺麗事ザッツオール」と言って敵視するが、ジャービス軍相手に共闘するうちに熱い信頼関係が生まれる。されど照れて素直になれないボルケニオン。そこには萌えがありました。
あと、言い忘れてたけどボルケニオンは人語を話す。
アニポケにおいて人語を操れるのはロケット団のニャースだけ…と相場が決まっていたが、数少ない例外として劇場版に登場する伝説ポケモンどもは流暢に日本語を話すんだよね。これは劇中人物が知りえないストーリーの背景や設定等を短い上映時間の中で観客に伝えるための苦肉の策。『ルギア爆誕』でもルギアが喋りまくっとったわ。山寺宏一の声で。今にも「おっはー」と言わんばかりの声色で。
~余談・ボルケニオンとわたし~
一度だけ海外の伝説キッズがフリーバトルで使ってきたけど竜舞2積み弱保起動バンギの「岩石封じ」で轟沈してたわ。
人間嫌いでプライドの高いボルケニオン。
一方のマギアナは半有機体の人工ポケモン。
メイドのようなナリをした全身金属のスチームパンク・ガールで、ボルケニオンの手厚い庇護にあずかっている。機械音で「ちょぴちょ」と鳴いて誰とでも仲良くなろうとするキュートな奴で、手から花束を出して人やポケモンを驚かせることが大好き。愛せる。
また、重心が不安定なのでよくすっ転び、抱き起こしたサトシとシトロンが「意外と重いな…」と言った言葉に対しては「ちょぴちょ」と顔を赤らめて恥じらいを見せた。ポケモンと言えど女の子! デリカシーのない発言は慎むべきなのだと本作は説く!
見れば見るほど愛嬌を感じるだけに、ジャービスにソウルハートを奪われたことで心を失いガラクタと化すクライマックスはなかなか痛ましい。皆もそうでしょう。記憶喪失や感情剥離による廃人展開って見ていてキツいよね…。『るろうに剣心』の人誅編とか。
~余談・マギアナとわたし~
過去にランダム交換で送られてきたことがあるが、色違い・海外産・Lv100だったので改造と断定して即逃がした。改造ポケモンを所有してるとオンライン対戦で任天堂からペナルティを課されたり、最悪の場合ゲームデータが飛ぶ可能性があるので要注意です!
慈しみの心をもつマギアナ。
私が嬉しかったのは、ジャービスとの攻防を描いた活劇パートだけでなくネーベル高原での多幸感溢れるクソどうでもいい箸休めシーケンスにも力を注いでくれたあたりだなー。
幼いころはバトルシーンに目を輝かせていた私も、今やすっかり汚れた魂をもつドグサレ夜叉餓鬼になり果て、根性論とご都合主義だらけのバトルシーンに大あくび。それよりポケモンたちが愛らしく戯れる日常パートをほのぼの打ち眺め、日々腐敗の一途をたどる肉体と錆びついたMy Heartを癒す方がよっぽど有意義で楽しい…と感じるようになったのである!
中でもボルケニオンとサトシたちが手負いのアマルスを看病するシーンは最高だ。
ちなみにアマルスはLv39で岩・氷タイプのアマルルガに進化する第6世代(X・Y)のポケモンだが、弱点6つ(うち2つは4倍弱点)、決定打に欠ける種族値、特性の弱体化などにより第6世代を代表するがっかりポケモンとして有名。いや、むしろライトユーザーの間ではロクに認知すらされてない無名の地味ポケである。
だからこそ劇場版という名の大舞台でアマルスにスポットを当てた本作を讃えたいのじゃあ!
まあ、私はアマルスを育てたことはないし、未来永劫使うこともないだろうけど。
アマルス(左)とアマルルガ(右)。デザインはすごくいいが、いかんせん弱い。ヘドが出るほど弱い。
◆これぞ自己満足の極北 ~需要ゼロ企画が火を噴く~◆
なんか急に面倒臭くなってきたからギャーって書くわ。
クライマックスでは、再びジャービスに奪われたマギアナを奪還すべくアゾッド王国に乗り込んだサトシたちがジャービス軍と大乱戦を繰り広げる。
ロングテイクで乱闘の中を駆け抜けるカメラが各ポケモンの見せ場を捉えてゆく渾身の作画!
噴き荒れる炎! 水! 雷!
目まぐるしく地をすべり大空を舞う視点!
激しい光の明滅と画面の揺れ!
そのダイナミズムがもたらす酔いとめまい!
徹夜明けの私を襲うアニメーションの暴力!
ソウルハートをぶっこ抜かれて廃人と化したマギアナは心を取り戻すことができるのか!? いや、それ以前に今の私がマギアナみたいになってやしないか?(する)
そしてラストシーンで敵の空中要塞ともども大爆発したボルケニオンの命運やいかに!? 『アルマゲドン』(98年)にも引けを取らない自己犠牲爆破エンドにキミは目からハイドロポンプを出すか? それとも乾いた笑みを浮かべるか!?
そう! そしてゲスト声優の松岡茉優がひどすぎる!
女優としては素晴らしいけど声優としてはちょっとどうかナ!?
対照的だったのがボルケニオン役・市川染五郎の仕事! さすが歌舞伎役者! まったく知らないけど多芸!
歌舞伎役者はだいたい多芸!
メガ進化した敵のハガネールに襲われるピカチュウたちのようす。
それより敵役のジャービスがガッカリキャラ過ぎた。
ジャービスが都市を要塞化したところで特に誰も実害を蒙らないから別にさせてやってもいいんじゃないかとか、クライマックスではネーベル高原を砲撃しようとするけど砲撃してどうなるの(ジャービスにとって何のメリットもない)とか、いちいち動機が不透明なヤツで、そのうえポケモンに対してかなり残酷なことをしてた割には大した罰も受けない。ていうかお咎めなし。むかつくわー。
まあ、そんな話はどうでもいいんだけど、そろそろロケット団のスピンオフ作品があってもいいんじゃないかってオレ思ってる。アニポケを語る上で欠かせないロケット団が今回けっこう蔑ろにされてて少し寂しかったのだからね。アニポケのロケット団回は感動エピソードの宝庫で、疲れた日は寝る前にお酒を飲みながら視聴すると心のデトックスができるんやで。それにピカチュウみたいなドブネズミよりもニャースの方が100倍かわいいという既成事実もあるのだし。
まあ、そんなわけで、これ以上語ることもないので毎度恒例の需要ゼロ企画「お気に入りポケモン紹介コーナー」で記事内容の水増しを図りたいと思う。今回はアタッカーで固めているよ。果たして誰が読むんだろうね。
お気に入りポケモン紹介コーナー
オコジョの膝小僧はたいせつに。美しき武闘派オコジョ、コジョンド。
ニックネームは「あたれヒザ」。
いじっぱり、捨て身、AS252 H6、命の珠
飛び膝蹴り/はたきおとす/とびはねる/とんぼ返り
威力130の「飛び膝蹴り」を死ぬ気で当てる型。
命中率90%とはいえ、もし技を外したり「まもる」でスカされたりするとごっつい勢いで地面にぶつかって膝がぶち割れる…という「飛び膝蹴り」。そのハイリスク・ハイリターンな大技にすべてを賭け、特攻あるのみ、当たれ膝!
一撃で決めたいので特性は反動ダメージを受ける技の威力が1.2倍になる「捨て身」、持ちものは相手へのダメージが1.3倍になる代わりに攻撃するたび最大HPの1/8のダメージを受ける「命の珠」。つまり私のコジョンドが放つ「飛び膝蹴り」の威力は、タイプ一致1.5倍×「捨て身」1.2倍×「命の珠」1.3倍=304。ほとんどのポケモンを一撃で蹴り殺すことができる殺人膝小僧なのだ!
ただし技を外したら膝ぐちゃぐちゃになって終わり。
決めろトリプルアクセル! 氷上のプリンス、マニューラ。
ニックネームは「はにうゆづる」。
やんちゃ、悪いてぐせ、AS252 D6、気合いのタスキ
トリプルアクセル/地獄突き/カウンター/氷のつぶて
もうひとつ制圧力に欠けるマニューラだったが、今回「トリプルアクセル」という新技の習得により大幅に火力が底上げされた。雪猫の逆襲がいま始まる。
「トリプルアクセル」は命中率90%の3連続攻撃で、一回目は威力20、二回目は40、三回目は60と増幅していくが、一発ごとに命中判定があって外すとそこで攻撃が終了しちゃう…というすこぶる心臓に悪い技。全ヒットすると威力120だが、そのためには地獄の抽選会(3回)を掻い潜らねばならないのだ。
また、夢特性の「悪いてぐせ」は接触技を撃ってきた相手から道具をガメるという効果。つまり「カウンター」と組み合わせれば、先にシバかれる→「気合いのタスキ」で耐える(タスキ消費)→相手の道具を奪う→「カウンター」で迎撃…という具合に、物理アタッカーを返り討ちにしたうえ道具まで失敬しちゃえるんである。まさにいたずらシナジー。わがままコンボ。
なお、タスキを発動させるなら打たれ弱い方がいいので、あえて性格を「やんちゃ」にして防御力を下げてます。
シリーズ皆勤賞の茶目っ気おばけ、ゲンガー。
ニックネームは「もはやしせつ」。
おくびょう、呪われボディ、CS252 H6、気合いのタスキ
ヘドロ爆弾/シャドーボール/挑発/道連れ
初代から変わらぬ強さを誇るゲンガーだが、今回キョダイマックスを得たことでお化け屋敷みたいな見た目に。もはやアミューズメント施設。「ダイアシッド」による追加効果(特攻UP)の恩恵を受けた数少ない毒ポケモンでもある。
対面性能がきわめて高いのでダイマックスしなくても十分強く、受けに対しては「挑発」で縛り、潰しに対しては「道連れ」で1:1交換に持ち込めるので、いかなる状況でも何かしら仕事はしてくれる偉い子。
とはいえ相変わらずの紙耐久なので「気合いのタスキ」は必須。タスキを潰さない立ち回りが必要であり、倒されるにしても「挑発」を入れて退場するか「道連れ」で退場するか、その死に際がポイントとなる。ただでは倒れん。「死せるゲンガー、生ける仲達を走らす」とはよく言ったもの。
あなたも諦めないで! 心の美しさは見た目の美しさから…アマージョ。
ニックネームは「まやミキ」。
いじっぱり、女王の威厳、HA252 S6、ヤチェの実
トロピカルキック/飛び膝蹴り/トリプルアクセル/飛び跳ねる
氷技の「トリプルアクセル」を習得したことで技範囲が広がった美脚美肌の女王様。
威力70の「トロピカルキック」よりも120の「パワーウィップ」の方が火力は出るけど、せっかくの専用技なので記念に採用してます。確定で相手の攻撃力を1段階下げられるので物理アタッカーを牽制できるという利点もあるのだし。
また、先制技を無効化できる特性「女王の威厳」は「氷のつぶて」を封じられるのが嬉しい。持ちものは「ヤチェの実」を持たせているので、ラプラスやガラル・ヒヒダルマあたりが撃ってくる氷技を半減で受けて「飛び膝蹴り」で迎撃するのが理想プラン。まさに美脚を活かした戦い方だね!
諦めないで!!
ウララウララで狙い撃ち! 後衛から勝利を射止める狙撃兵、インテレオン。
ニックネームは「タテのこうず」。
おくびょう、激流、CS252 H6、ヤタピの実
ハイドロポンプ/冷凍ビーム/エアスラッシュ/みがわり
剣盾の最初のパートナーは水タイプのインテレオンでした。その細身で知的なイメージが私とそっくりだったので親近感を覚えたが、のちに夢特性が解禁されたことでライバルの御三家・エースバーンとゴリランダーの後塵を拝するハメに。それでも私はインテレオンを使う…。
戦術は至ってシンプル。残りHPが1/3以下になると水タイプの威力が1.5倍になる特性「激流」と、残りHPが1/4以下になると特攻が1.5倍あがる「ヤタピの実」を併用して水技を2倍で撃っちゃおうという型です。「みがわり」連打で激流&ヤタピ圏内までわざとHPを削り、山本リンダもびっくりのウララウララの超火力で狙い撃ちじゃあ。ダイマを切れば大体どの技も一発耐えてちょうどいい感じに激流ヤタピ圏内に入るので雑に暴れさせても強い。
なお、キョダイマックスした姿は高さ40メートルに達するというよ。伸びたしっぽを地面に突き立て、そのてっぺんから敵を狙撃するのだ。縦の構図がすごい。
バカか? おまえが殴ったのは氷の幻だ! あられに身を潜めしキュートな雪ん子、グレイシア。
ニックネームは「ふぶきジュン」。
ひかえめ、雪がくれ、C252 HB調整 、光の粉
ふぶき/フリーズドライ/あられ/まねっこ
天候があられ状態だと相手の技の命中率が0.8倍になる特性「雪がくれ」と、相手の技の命中率が0.9倍になる持ちもの「光の粉」を併用することで相手の攻撃をスカスカかわしていく…という猪口才なグレイシアをついに私は生み落としてしまいました。
これによって命中100%の技でも72%まで下降する!つまり3~4回に1回の割合で技をかわせる計算だ!
加えて、あられ下では命中不安定の大技「ふぶき」が必中なので、相手はちょいちょい技を外すのに対してこちらは必中で大技を当てまくるというこの世の不平等を具現化していく。
毎日、吹雪、吹雪、氷の世界~♪ とは井上陽水の言。
「技が当たらなければ負けない」という小学生のごとき発想に基づいたグレイシア。まさにロマン。
とは言ったものの、対人戦では一度も使ったことがないので使用感は不明。すべては机上の空論。まさにロマン。でもアレだろうな。どうせ実戦ではそう都合よくコトが運ばないのがポケモンバトルなんだろ? くそが。
一手読み違えると犬死にする犬、ルガルガン(たそがれの姿)。
ニックネームは「むしプロ」。
いじっぱり、硬いツメ、AS252 H6、気合いのタスキ
ステルスロック/カウンター/アクセルロック/インファイト
手塚マンガに出てきそうなイケメンアニマル。
この子は初動が大事ね。上からステルスロックを撒き散らかしたりカウンターで物理アタッカーを迎撃・牽制できるのが強みだけど、一手読み違えると犬死にさせちゃうので丁寧に運用しなくてはなりません。ゲンガー同様、場持ちのいいポケモンではないので、さっさと仕事してムリなら最後っ屁カマして散る…という引き際を考えないと、逆に積みの起点にされちゃうわ。
その反面、直接攻撃の威力が1.3倍あがる特性「かたいツメ」によって岩タイプの先制技「アクセルロック」が威力78になるので、終盤まで取っておけば残党処理も可能。このへんの生殺与奪が将棋の銀みたいで難しいんだよねぇ。いっそ切っちゃった方がいい場合と、ちゃんと取っておいた方がいい場合とが戦局によって変わってくるんだよ。
実に悩ましいポケモンである。ルガルガン。おまえという奴は…本当に悩ましいよ!
噛まれるまえに窮鼠を噛み返せ! 撃ち逃げアウトボクサー、ガオガエン。
ニックネームは「ますらお」。
ようき、威嚇、H36、A228、B12、D4、S228。こだわりスカーフ
DDラリアット/フレアドライブ/雷パンチ/捨てゼリフ
一応ネコね。二足歩行で筋肉バキバキだけど、一応ネコなの。
こいつの育成には悩んだ。鈍足アタッカー型も防御特化型も魅力的だが、悩み抜いた末にスカーフ型で高速アタッカーになってもらうことにしました。
鈍足型だと反動ダメージを受ける「フレアドライブ」が腐ってしまい、B特化型だとせっかくの高い攻撃種族値がもったいない。というわけで中間択のスカーフ型です。
「こだわりスカーフ」を持たせるとひとつの技しか撃てなくなるが、そのデメリットを帳消しにできるのが「捨てゼリフ」なの。これは相手の攻撃・特攻を1段階下げながら控えのポケモンと交代する…という便利な技で、特性「威嚇」込みで相手の攻撃は実質2段階下がってるわけですから、後続の積みアタッカーの起点にできるのだよね。
有利対面では上から殴り、不利対面では捨てゼリフ吐きながら逃げる…という退路を確保しながらの攻めが強力。相手からすれば相当やりづらいと思うわ。
ギャラドスとドヒドイデで止まるのでサブウェポンには「雷パンチ」を採用。ギャラとの威嚇合戦になっても撃ち勝てるよ!(龍舞積まれてたらムリ)
ていうか、せっかく育成したのに新シーズンで思いっきり使用禁止になっててガッカリしちゃった。
麗しき九尾の狐。お天道様の下で超覚醒、キュウコン。
ニックネームは「UVカット」。
おくびょう、日照り、CS252、H4。広角レンズ
大文字/ソーラービーム/イカサマ/鬼火
念願の日照りキュウコンをゲットしたので早速育成。高いDを活かすためにHに多少振ろうとも考えたけど結局CSぶっぱの最速アタッカー型に落ち着いた。
場に出るだけで5ターンのあいだ天候が「晴れ」になるので、炎技1.5倍、弱点の水技が0.5倍、そして水タイプへの役割破壊「ソーラービーム」が1ターンで撃てる…といった魅力満載の夢特性「日照り」を存分に活用したいので「催眠術」や「悪だくみ」のような悠長な技は全部切ってます。
氷タイプのアローラ・キュウコンも嫌いじゃないけど、初手で「オーロラベール」張って「ふぶき」連発して…って立ち回りがモロバレなので、やはり初手が読まれにくい原種キュウコンの方が好きなのよね。ポケモンは心理戦である前に情報戦なので、動きを読まれることを私は何よりも嫌います。
持ち物は「広角レンズ」。技の命中率を1.1倍上げることで命中85%の「大文字」と「鬼火」が93.5%の確率で当たる。ポケモンにおける命中85%は実質50%なので、その確率を上げることで試行回数も増やせる「広角レンズ」はあながち馬鹿にできないよ。それに5ターンという限られた天候下で存分に暴れたいので技を外してむざむざ1ターン無駄にするのは本当にクソなこと。
新シーズンが始まってミミッキュやドラパルトが消えたので「イカサマ」を別の技に変えてもいいかもね。「怨念」や「金縛り」も面白そう。悠長なんだけど。
これぞ追い剥ぎ! 道具を制する斥候兵、タチフサグマ。
ニックネームは「てっぽうだま」。
ようき、根性、AS252、H4。火炎玉
はたき落とす/からげんき/すり替え/捨てゼリフ
17年前に『ルビー・サファイア』で登場したマッスグマがここへきて今さら進化。
とりあえずタイプ一致の「はたき落とす」で相手の持ち物をケア。そのあと「火炎玉」で自ら火傷状態になることで状態異常時に攻撃力1.5倍になる特性「根性」が発動。これによって状態異常時に威力2倍になる「からげんき(威力70)」が実質210になるので、あとは雑に殴るだけ。押し負けそうな物理アタッカー相手には要らなくなった火炎玉を「すり替え」で押し付けて火傷状態にしたり、上から「捨てゼリフ」で安全に逃げることもできるねん。
なにより、見た目以上の耐久力と素早さを持っているので、戦況を見ながら攻めたり妨害したり…と選び分けられる戦術の幅が魅力。また、大体の対戦相手はタチフサグマの専用技「ブロッキング」を警戒しながら立ち回ってくるけど、私のタチフサグマはあえて覚えさせないというブラフを敷いてるので、相手が勝手に深読みして殴ってこない…なんてハッタリもよく利きます。
殴って楽しい、荒らして嬉しい、タチフサグマが立ち塞ぐ!
(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku
(C)Pokemon (C)2016 ピカチュウプロジェクト