シネマ一刀両断

面白い映画は手放しに褒めちぎり、くだらない映画はメタメタにけなす! 歯に衣着せぬハートフル本音映画評!

ガルシアの首

蛮骨のペキンパー作。死が囁くときに窓は失効する。 1974年。サム・ペキンパー監督。ウォーレン・オーツ、イゼラ・ヴェガ、ギグ・ヤング。 メキシコの大地主が愛娘を妊娠させた男、ガルシアの首に賞金を懸けた。酒場のしがないピアノ弾きベニーは、情婦のエ…

マイ・プレシャス・リスト

全オタク女子必見の映画だわよっ! 2016年。スーザン・ジョンソン監督。ベル・パウリー、ガブリエル・バーン、ネイサン・レイン。 ニューヨーク、マンハッタン。IQ185を誇り、ハーバード大学を飛び級で卒業したキャリーは、仕事に就かず、友人も作らず、ただ…

女性上位時代

'60sガーリーカルチャーの潮流。逆にオシャレなカルト作! 1967年。パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ監督。カトリーヌ・スパーク、ジャン=ルイ・トランティニャン、ジジ・プロイエッティ。 若い未亡人が、夫の隠れ家を発見した。それは、夫がセックス…

レッスル!

ユのきらめきが止まらない。ぜんぜん止まらない。 2018年。キム・デウン監督。ユ・ヘジン、キム・ミンジェ、イ・ソンギョン。 かつてはレスリングの代表選手だったが、いまは家事と息子の成長だけが生きがいのシングルファーザーのギボは、将来有望なレスラ…

クリード 炎の宿敵

炎の宿敵に負けてずっと落ち込んでる映画。 2018年。スティーブン・ケイプル・Jr.監督。マイケル・B・ジョーダン、シルベスター・スタローン、テッサ・トンプソン。 ロッキーの指導の下、世界チャンピオンに上り詰めたアドニスは、かつて父アポロの命を奪っ…

おとなの恋は、まわり道

結婚式を控えてる方は離婚したあとに観ましょう。 2018年。ヴィクター・レヴィン監督。ウィノナ・ライダー、キアヌ・リーブス。 式場のあるリゾート地へ向かう空港で偶然出会い、口論を繰り返していた2人は、やがて互いが同じ結婚式に向かっていることを知る…

ポリス・ストーリー REBORN

邦題は『まんまウォーズ』にするべきでした。 2017年。レオ・チャン監督。ジャッキー・チェン、ショウ・ルオ、オーヤン・ナナ、エリカ・シアホウ。 2007年の香港。危篤状態にあった幼い娘を病院に残し、自分の任務ではなかった証人警護作戦の現場へと駆り出…

シネ刀映画対談(後半)

おはようございます、おまえたち。 おおむね好評でひとまず胸を撫で下ろしている『シネ刀映画対談』、本日はその後半をお送りします。対談ゲストは昨日に引き続き戦争愛好家として知られるやなぎやさん。 昨日の『シネ刀映画対談(前半)』では「なにお勉強…

シネ刀映画対談(前半)

おはようございます、おまえたち。第1回目にして早くも最終回の予感を孕んだ『シネ刀映画対談』。 坊ちゃん回のような自作自演の対談記事じゃないですよ。 生身の人間と半月以上に渡ってTwitterのDMでひたすら映画トークのラリーを続けて、その内容をうまい…

キラー・エリート

名匠ペキンパーの底抜けポンコツ映画。 1975年。サム・ペキンパー監督。ジェームズ・カーン、ロバート・デュバル、ボー・ホプキンス、バート・ヤング。 民間援護組織とは名ばかりの暗殺結社“コムテグ”の腕利きエージェント、マイクは仲間のジョージに裏切ら…

大砂塵

男と女が逆転した異色西部劇。そしてジョニーはギターを弾く。 1954年。ニコラス・レイ監督。ジョーン・クロフォード、スターリング・ヘイドン、マーセデス・マッケンブリッジ。 1890年代の西部。流浪のギター弾きジョニーがアリゾナの山奥にある賭博場へや…

サンダーボルト

アクション映画に非ず。これはニューシネマが奏でる破滅のラプソディーだ! 1974年。マイケル・チミノ監督。クリント・イーストウッド、ジェフ・ブリッジス、ジョージ・ケネディ、ジェフリー・ルイス。 銀行強盗のサンダーボルトはかつての仲間レッドとエデ…

KIDS/キッズ

90年代のド真ん中を撃ち抜き、時代の空気を真空パックした背徳の不良少年譚。 1995年。ラリー・クラーク監督。レオ・フィッツパトリック、ジャスティン・ピアース、クロエ・セヴィニー。 日本公開当時、そのスタイリッシュさが話題になったNYのティーンエイ…

バッジ373

ハゲた刑事がおっさんパワーを発揮するR・デュバル主演作! 1973年。ハワード・W・コッチ監督。ロバート・デュバル、バーナ・ブルーム、エディ・イーガン。 停職中で、今はバーテンダーをやっているエディ・ライアン刑事の相棒が殺された。ライアンはバッジ…

現世と冥界の往還者 ー京マチ子追悼ー

やれやれだ。つい4年前に原節子の追悼文をしたためたというのに、今度は京マチ子を追悼せねばならないとは。今宵はニコラス・レイの『大砂塵』(54年)の評を書くつもりだったが、急遽予定を変更して焼酎の熱燗でも煽りながら京マチ子に想いを馳せるとしよう…