シネマ一刀両断

面白い映画は手放しに褒めちぎり、くだらない映画はメタメタにけなす! 歯に衣着せぬハートフル本音映画評!

リチャード・ジュエル

俺をナメんなっていう中身。そしてイーストウッドは小津化する。 2019年。クリント・イーストウッド監督。ポール・ウォルター・ハウザー、サム・ロックウェル、キャシー・ベイツ。 96年、五輪開催中のアトランタで警備員のリチャード・ジュエルが公園で不審…

死亡遊戯

四階建てのデビルズマンションの前にりーはいた。りー、というのは人名であり、この物語の主人公だ。ジークンドーをまあまあ極めた、まあまあいけるクチの武術家である。 このデビルズマンションは、各フロアに悪魔級の強敵が待ち構えており、挑戦者をむごた…

ふたつの精神が拮抗しくさる。

近ごろ、老いを感じる。私がこんなことを云うと、すぐに「若造が何を云うとるんだ。おまえに本当の老いというものを見せたる」とかなんとか云って全裸を見せてきたりする人がいるが、ちょっとそれは思いとどまってほしい。私が感じているのは肉体的な老いで…

引くな千代子、そのレバー引いたら時空が歪むんや!

私はよく建物の前でただ漫然と立ち尽くすことがある。誰だって多かれ少なかれ建物の前でただ漫然と立ち尽くすことぐらいあるだろうが、とりわけ私は建物の前でただ漫然と立ち尽くすことがよくあるのだ。 立ち尽くして何をしているのかといえば、べつに何もし…

行くな千代子、そこ地雷埋まっとんねや!

1月1日は嫌いだ。 例年、1月1日を周期に、身体的異常が発生するという奇跡の呪いにかかっているからだ。「元旦の呪い」である。 たとえば去年は、0時をまわって1月1日になった途端に歯が激烈に痛みだし、ニューイヤーどころではなかった。明けましてニューペ…

ひろい心でおまえを殴りたい

過日、低音域の出し方に定評がある余のイヤポンが断線により死亡。家にはまだ存命中のイヤポン2個とヘッドポン2個があるが、存命中のイヤポンはコンピューターに繋いで動画を視聴したりポッドキャストを聴く用なので音楽鑑賞には向いておらず、ヘッドポンも…

ぬくぬくっ子、世に憚る。

アンビリーバボー。拙宅の近所で、つけ麺屋が開業した。金銭目的による開業だろう。 つけ麺というものを私は食べたことがない。それゆえに多少は興味をそそられる。おそらくは一度食べたら充分なのだろうが、0と1の間には計り知れない距離があるのだ。その距…

秋刀魚の味

娘を嫁に出した父が激烈にヘコむって映画。 1962年。小津安二郎監督。岩下志麻、笠智衆、佐田啓二、岡田茉莉子。 日本映画界の巨匠・小津安二郎監督の最後の作品で、妻に先立たれた男とその子供達の幸せの中にもなぜか潜む孤独と寂しさを描いた作品。 (キネ…

彼岸花

主演はヤカンとさえ言っていける。 1958年。小津安二郎監督。佐分利信、田中絹代、有馬稲子、久我美子、山本富士子。 日本映画界の巨匠・小津安二郎監督の初のカラー作品。友人の娘の縁談には理解を示すが、自分の娘には人が変わったように反対する父親を中…

早春

見たまんまのゾンビ映画。 1956年。小津安二郎監督。淡島千景、池部良、岸恵子。 サラリーマン杉山正二と妻の昌子は、子供に死なれて以来、冷え切った関係にある。通勤仲間のOL千代と深い関係になる正二。先の見えない会社生活に不満を隠さない彼だったが、…

お茶漬の味

スープのことを「おつゆ」と言わないでほしい。 1952年。小津安二郎監督。佐分利信、木暮実千代、鶴田浩二、淡島千景、津島恵子。 茂吉と妙子は生まれや気質の違いゆえに心の通わないままの中年夫婦。微妙な感情の食い違いによって長年蓄積していたものが、…

麦秋

家庭の幸福な崩壊。 1951年。小津安二郎監督。原節子、笠智衆、三宅邦子、淡島千景、菅井一郎、東山千栄子。 世界中の名監督に影響を与えた小津安二郎監督と名脚本家・野田高梧のコンビが最も充実していた時期の代表的な家族劇。婚期を逃しかけている娘の煮…

吸血髑髏船

物理法則をいろいろ超越したシクッターズカット版。 1968年。松野宏軌監督。松岡きっこ、入川保則、岡田真澄。 太平洋の真っ只中で、積み荷の金塊を狙う5人のならず者たちが船員たちを惨殺し、同乗していた船医・西里の新妻・依子を犯し、殺した。それから3…

切腹

自らの武士道を矛盾させてでも相手方の矛盾を炙り出す体裁爆破装置。 1962年。小林正樹監督。仲代達矢、石浜朗、岩下志麻、丹波哲郎、三國連太郎。 彦根藩井伊家の上屋敷に津雲半四郎と名乗る浪人が現れ「切腹のためお庭拝借」と申し出た。生活に困窮した浪…

野菊の如き君なりき

その卵みたいな白フチやめてええええ。短歌もやめてええええ(普通に画面見して)。 1955年。木下惠介監督。田中晋二、有田紀子、笠智衆、杉村春子。 松竹全盛時代をを支えた名匠のひとりである木下惠介監督が、伊藤左千夫の小説「野菊の墓」を斬新な演出で…